東京都立大学独文学専攻 学生、大学院生の皆さんへ


東京都立大学独文学専攻 学生、大学院生の皆さんへ

東京都立大学人文学部文学科独文専攻 教員一同
2003年9月18日

独文学専攻所属の学生の皆さん、大学院生の皆さん

東京都大学管理本部が強引に進めている都立の新大学構想は、現在都立大に在学 している学生、大学院生、そして潜在的な学生としての受験生を蔑ろにした、 とうてい承認しがたいものです。
 この件について、独文学専攻所属教員としていま現在の私たちの態度を表明させていただきます。

1.現在時点での独文学専攻としての見解は、 9月17日付の文書として公開されています。これが私たちの原則となります。 どうかご参照ください。

2.2005年度に発足する新大学において、 東京都立大学に現在在籍している学生がどのような扱いになるのか、 大学管理本部側からの説明はいっさいありません。 また、大学院については、設置されるかどうかすら定かでありません。 このような異常事態に対して、私たちは、学生、 大学院生にとって不利益がもたらされることのないよう、 今後ともせいいっぱいの働きかけを行なってゆきます。

3.新大学においては、人文学部の文学科5専攻 (国文学、中国文学、英文学、独文学、仏文学)が廃止される、 という情報があります。
 私たちには情報が十全に伝わっておらず、この真偽を確言することはできません。 大学管理本部に問いただしてゆきます。
 万が一それが事実である場合、これは由々しき事態であると私たちは考えます。 国際性を謳った総合大学にとって外国文学研究・ 言語学を含めた文学系学科は不可欠ですし、そもそも大学という存在が、 非常に判りやすい即座の有効性のみに縛られるとするなら、 長期的に見て〈文化〉的なものの死を招くと言わざるをえないからです。
事実、都知事が新しい都立の大学の範として持ち出してい るスタンフォード大学やUCLAの学科構成を見るならば、 文学・言語学系の学科がきわめて充実していることがわかります。
 文学科廃止という案が実際にある場合にはこれを肯いうるわけもなく、 私たちがその撤回を求めてゆくことは言うまでもありません。  また、もしも力及ばず最悪の事態に立ち至った場合でも、 現在在学している独文科の学生、大学院生が不利益を被ることのないよう、 できるかぎりの努力をしてゆきます。

 今後の成り行きは私たちにも皆目見当がつきません。 どうか動向をよく注意してご覧になっていてください。 また皆さんの側からも、 自らの当然の権利をまもる要求の声をあげていただけるなら、 私たちにとって心強い後押しとなります。