東京都知事への要望書
外国語および外国文学の教育に対する強権発動は、つねに自由を侵害するものと なります。通常この種の強権発動は、それぞれの国で文化を担っている あらゆる当事者に事前に諮ることなく、超法規的におこなわれるものです。 東京都立大学人文学部の文学5専攻を廃止する計画を秘密裡にたてた 石原慎太郎東京都知事は、彼自身作家でありますが、憲法を踏みにじっているの みならず、明治期が始まってよりの日本の偉大な文学的伝統、文化的伝統に挑戦 状を突きつけています。 以下に著名する国境を越えた作家、哲学者、教育者は、石原東京都知事が 都立4大学に対し、また数年前から準備されていた[2003年8月1日以前の]新大 学設計に対して加えようとしている、文学の歴史への懲罰ともいうべきこの 暴挙に、断固として抗議をおこなうものであります。 批判精神は真の民主主義の未来にとって、とりわけ人類全体における他者 の理解にとって不可欠なものです。 その批判精神が発展するにあたって、文学・語学教育は高度の必要性を 有しています。 それゆえ我々は、日本の文部科学省と東京都庁にこの要望書を送り、 現計画とは反対にこれらの教育を強化するよう要望いたします。
2004年2月11日
[要望書に署名した人々](個々のメッセージは省略) |