人文科学研究科院生会(2004年7月28日)


意 見 声 明

都立の新大学への「就任承諾書」提出をめぐって、人文学部教員の選択は分かれ た。しかし、現大学大学院を研究の場とする私たちにとって、「東京都立大学」 は、かけがえのないたった一つの大学であり続ける。たとえ教員の選択した道が それぞれ異なるものであったとしても、ともに学問に志を立て、ともに研究に 励んだ全ての教員に対する私たちの信頼に、変わりのあろうはずがない。 私たちの「東京都立大学」のために全ての教員が連帯するものである、と私たち は心から信じている。

「理性の府」たる大学に対して行われてきた、東京都大学管理本部の強引なやり 方に対して、私たちは改めて反対の意を表明する。人文学部の全教員は、 大学管理本部の非理性的な手法の被害者である。それはとりもなおさず、 私たち在学生も被害者であることを意味する。

実に、昨年8月以来、私たちが被ってきた害は甚大なものである。このような手 法がまかり通るならば、研究しようにも一切できない状況が私たちを襲うに違い ない。私たちは「転出」も「就任」もない。身動きのとれない状況での研究環境 の悪化は、まさに致命的である。事態は深刻化の一途を辿っている、と私たちは 断言する。

ここに、私たち人文院生会は、全ての院生がその初志を貫徹できるように、 そしてこれ以上被害にあう学生を増やさないために、「入学時に約束された カリキュラムの保障」と「学位取得の制度的保障」が確実に履行されることを、 再度強く要望する。私たちの「東京都立大学」の研究環境がこれ以上いささかも 悪化することのないよう、切望する。私たちはそのためのあらゆる努力を継続す る決意であることを、ここに表明する。

2004年7月28日
人文科学研究科院生会