中期計画(たたき台)に対する修正提案と意見

                         2004年12月3日   東京都立大学人文学部


 中期目標素案と同様、中期計画の「たたき台」も、教育研究組織として の大学の実態を知らぬまま、あるいはあえてそれを無視し、予め設けられたいくつかの既定方針にしたがって作成された机上の計画としか評価できない。大学に 中期目標・計画を設定し事業管理を行うという発想自体正しいものとは考えないが、国立大学法人のそれと比べて見てさえも、新大学法人の中期目標・計画のず さんさ、拙劣さは誰の目にも明らかである。理事長を中心としたトップダウン体制、産学公連携の過剰な重視、任期制・年俸制と絡めた人件費の総額抑制、授業 管理の手段と化した単位バンク、組織と個人の双方に及ぶ評価とインセンティブ、就職請負サービス業としての大学観、あまりに狭隘な社会の観念にしか基づか ない社会貢献等々――これらの強引な方針の根底には、大学を設置者の思うがままにコントロールし、最低限の経費で行政の施策の補助機関として徹底的に利用 したいという抜きがたい欲求があるように見える。しかし、大学を設置する動機として、こうした欲求があまりに歪んだものであることは指摘するまでもない。 昨年夏以来の設置準備の過程で生じた多くの軋轢、現在もなお深刻な開学準備の遅滞と混乱、そして精神的荒廃一歩手前の教職員の士気の低下とやる気の喪失 は、すべてこの根本の歪みから発しているのである。


 東京都は、今度こそ、教員組織からの意見聴取を単なる儀式と して終わらせてはならない。中期計画を身をもって実施に移すのは教員であり、その矛盾をすべて引き受けなければならないのも教員である。さらに、大学に は、学生がいる。そして、教員にのしかかる歪みと矛盾は、そのまますべて学生にも降りかかるほかはない。ずさんで展望を欠いた中期計画のつけは、結局、教 員と学生の両者が支払うことになるのである。およそ大学である限り、その使命は人類社会の普遍的課題に関わるものであるべきだが、仮に百歩譲って、大都市 の課題を解決することが新大学の使命であるとしても、この拙劣で矛盾だらけの計画で本当にそれが可能だと考えているとすれば、錯覚も甚だしい。本来なら、 教員組織と緊密に連携しながら目標・計画を一から作り直すべきであろう。しかし、「諸般の事情」でそれができないというのであれば、最低限、今般寄せられ た意見を真剣に受け止め、大胆な手直しを加えて出発する必要がある。それだけが、新大学が空中分解してしまわないためのせめてもの方策だからである。


★以下、「たたき台」原文のうち削除部分は二重取り消し線で、加筆部分は赤字で示した。要所に付したコメントは、加筆訂正の前提にある考え方を述べたもの である。


                       2004.11.25

中期計画(たたき台)

(目標にあわせた章立てにしてありま すので、蕎呂ら始まります。)


 首都大学東京に関する目標を達成 するためにとるべき措置

 1 教育に関する目標 を達成するための措置

  1. 教育の内容等に関する取組み


 【入学者選抜】


学部の入学者選抜

・大学の理念を踏まえたアドミッションポリシーを学部毎、募集単位毎 に速やかに公表するとともに、それに基づいた特色ある入学者選抜を実施する。

 ・一般選抜では、基礎学力の確保を目的とし、大学入試センター試験 の試験科目について、5教科7科目へ移行する。

 ・大学や学部の理念に応じて、学生の持っている能力・資質を丁寧に 評価できる多様な入学者選抜の実施に取り組む。実施にあたっては、大学入学後の学修に支障が出ないよう一定水準の基礎力確保を考慮する。基礎教育センターの所管する全学委員会がーを中心として、入学後の成績との相関関係 など必要な調査を多角的に行い、それに基づき必要な見直しを図っていく。


入試広報

 ・オープンキャンパスや大学説明会の工夫、ホームページの充実、高 大連携の一環としてのサマーキャンパスの拡大、進学ガイダンスへの参加拡大、入学者実績校訪問など、入試広報の充実を図る。


大学院の入学選抜

 ・専門分野への適性や意欲を持つ優れた学生を受け入れる。


【教育課程・教育方法】

大学の教育理念の実現のため、下記の取組みを行う。

 

 |碓魅丱鵐システム

「単位バンクシステム」は、ヽ慇犬隆望や社会の ニーズを踏まえ教育課程の編成方針を検討する機能、学生の履修選択の幅を広げるため、学外の教育資源の積極的な活用を図ることを目的とした制度であり、教育資源の共有化の観点から、将来的に国内外の高等教育機関のネットワークの整備を視野 に入れながら、充実を図って行くものとする。機能、3慇犬両来像に合わせ、カリキュラム設計を支援する機能を合わせ持 ち、総合的に新大学の教育改善を推進する。

(1)運営組織の整備<平成17年度実施>

  単位バンクシステムは、新大学の教育システムの 柱として、学長の強いリーダーシップの下、その充実・発展を図る必要があることから、学長室を中心として以下のような「単位バンク推進組織」を設ける。

  「単位バンク推進組織」基礎教育センターに全学委員会(「単位バンク運営委員会」(仮称)など)を置き、部局教授会の委任を受けて選出された 委員により、学生が学外教育機関において履修した科目等を本学の単位として認定する。は、ヽ悵明澤廾儖会、科目登録委 員会、3惱ぅウンセラー、により構成され、これらの円滑な活動を支えるため、学長室に「単位バンク推進担当」を置く。

 (2)単位バンクシステムの登録科目の拡 大

     学生のキャリア形成に応じた履修選択の幅を広げるため、広く学外に働きか

けて本システムへの理解と参加を 求め、教育資源のネットワーク化をめざす。

科目登録に取り組む。

     平成17年度は、これまでの単位認定制度や単位互換制度を統合し、学外で

取得した授業等の単位 を、一括して「単位バンク運営委員会」で認定すること

から始める。首 都大学東京の全ての学部科目を科目登録し、授業科目の

内容を学外に公開するほか、既存の制度を活用し、他 大学の授業科目等の認定

を行う。また、大学院の科目について、導入に向けた 検討を行う。

     平成18年度以降、既存の制度を活用し、事後的ではない学外の教育資源の

活用への取 り組みを進め、大学間での連携を推進するため の具体的な検討を行

う。し た上で、現行法制度上の制約条件緩和に向けて、国に働きかけていく

(3)単位バンクシステム運営のための環境整備

     単位バンクシステムを運営していくため に、必要となる以下の基本条件を段

階的に整備する。

・カリキュラム設計を支援する情報システムの整備

・将来像と授業科目により得られる知識・能力を結び つけたモデル(コンピテンシーモデルディクショナリー)の作成

     ・科目登録に必要な授業評価の実施


基礎ゼミナール

・学問的営為の根底に ある批判的思考、さまざまなバイアスにより操作され捻じ曲げられた大量の情報の中から、正しいものを選択し再構成する的確な判断能力を養う

  ・大都市をはじめ現代社会で活躍するために必要な課題発見・解決能力を育成する。

  ・ゼミでの発表を通じてプレゼンテーション能力の向上を目指す。

 ・学部混合型の学生構成が豊かな人間関係の形成につながるよう努める。

  ・少人数ゼミの特色を生かし、担当教員との密接な対話を通して、 問題や課題を求する力、コミュニケーション能力、ディベート能力を高める。

 E垰垓詰椒廛蹈哀薀

  ・都市にまつわる4つの基本テーマ(「文化・芸術・歴史」「グローバル化・環境」「人間・情報」「産業・社会」)に沿って学際 的、総合的に学ぶことにより、全地球的観点から、大都市に関連する様々な課題に取り組み、解 決する人材を育成する。

  ・本プログラムの目的を十分に達成するために、科目の配置や内容 を常に検証し充実に努める。


 実践的英語教育

  ・英語による基本的・実践的なコミュニケーション能力を高めてい くために、英語の4つの力(「話す」「聞く」「書く」「読む」)に立脚した総合的な英語力を養成する。

  ・ネイティブの講師を効果的に活用して実践的な英語力を養成す る。

  ・社会に対して卒業生の英語能力が客観的に立証できるよう、指標 の設定等、制度の構築を図っていく。

  ・英語教育を通じて国際的に活躍できる基礎的能力を養成する。


 ゾ霾鷆軌

  ・単なるパソコン等の活用能力だけでなく、探究的な学び合いの中 から、ものごとを正しく認識し、課題を発見し解決する能力を育成する。

  ・ITをツールとして活用し具体的な課題を解決することにチャレ ンジさせる。

  ・ITを活用した基礎的な情報収集・情報発信のリテラシーの育成 を通じて、情報整理・解析能力やプレゼンテーション能力を高めていく。


 体験型インターンシップ

  ・単なる就職前の就業体験としてではなく、実社会とのつながりを テーマにした教養教育の一環として、様々な課題を抱える大都市の現場を体験することにより課題発見・解決能力を養成する。

  ・都庁及び外郭団体をはじめとして、目的にふさわしい新たな実習 先の開拓を行う。

大都市東京都が抱える多様・広範な実務や実態に直接触れ、その現状に対する認識を深める。


大学院では、平成18年度に研究科の再編成を行うが、各研究科・専攻ごとに、育成する人材像・主な進 路、各課程の趣旨・目的に照らし、課程修了までのプロセスを明確にし、体系的な知識の修得と専門分野の訓練研究技法、技術の修得とのバランスの取れた教育課程編成に取り組むとともに、特色ある教育プログラムを 実施する。


学術情報の整備・レファレンス機能の向上(図書情報センター)

・図書情報センター各館は連携して、全学的に教育研究用書籍及び雑 誌、電子ジャーナル、オンラインデータベース等の整備に努める。

・学術的に貴重な書籍・資料については、その利用を無用に妨げないことに配慮しつつ、良好な 保全・管理状態におかれるよう努める。

・職員の資質の向上を図り、図書情報センター全体のレファレンス機能を高める。


教育の質の評価・改善


多面的検証、評価とその活用

 ・ファカルティ・ディベロップメント、自己点検・評価、外 部第三者評価の結果を不断にフィードバックし、教育の質の向上に結びつけるよう努める。


ファカルティ・ディベロップメント(FD)

 ・各学部、基礎教育センター等から選出された委員で構成するFDに 関する全学委員会(事務局は基礎教育センター)を設置し、効果的・効率的なFDを行う。

 ・学生の声を受け止める仕組みを構築し、学生による評価を授業の改 善に反映するよ

う努める。さらに、ピアレビュー(同僚評価)の実施を検討していく。


自己点検・評価(教育研究分 野)

 ・各学部・学系、 基礎教育センター、オープンユニバーシティ等から選出された委員で構成する自己点検・評価に関する全学委員会(事務局は基礎教育センター)を設置し、自己 点検・評価を行う。

 ・自己点検・評価結果はHPなどで学内外に公表し、教 育研究審議会上記全学委員会で改善策を検討し実施につなげる。


外部第三者評価

 ・認証評価機関等の外部第三者評価を受け、その結果がすみやかに教育の改善に結びつけられるような学内体制の整備を図る。


情報の公表

 ・学生に提供する授業科目については、科目登録委 員会で定めた基準に基づき、全ての科目の内容をシラバスおよびHP上で公 開するほか、成績評価基準、成績評価分析、自己点検評価結果等、教育に関わる情報についてはHPなどを活用して可能な限り公表するよう努める。


(2)学生支援に関する 取組み


学生サポートセンターの設置

 ・学生の相談、申請等にワンストップで的確に応えることを目的に、学生サポートセンターを設置する。センター長は教員を当てるとともに、学生サポートセンターに、各部局から選任された教員による学生委員会を置き、教授 会との連携を図る

 ・学生サポートセン ターに教務課、就職・進路課(仮称)を置いたうえで、学生に対する支援をサービスとして明確に位置づけ、学生ニーズを的確に把握しながらそ の質の向上に努める。

・すべての学生が円滑 で有意義な学生生活を送るとともに、自らの進路を主体的に決定できるよう、教員・学 生サポートセンター(教務課・就職課)が中心となって指導・支援を行う。サークル等の課外活動、学外施設の利用などについては、これまで以上の充実をめざす。目標設定に悩む学 生に対しては、履修相談・就職相談・適応相談・オフィスアワーなどきめ細かな指導・支援を行う。これらにより、すべて の学生が充実した在学期間を過ごすと同時に、自らの進路を主体的に決定できるような大学を目 指す。


【学修に関する支援】

学修カウンセラーを中心とした履修相談体制の整備

 ・学生が自らの生き 方や将来像に対する明確な目的意識を持って大学生活を送るために、望ましい履修や研究、進路選択をアドバイスする「学修カウンセラー」を設置する。

・オフィスアワーを設けることにより、学修に関するきめ細かな指導・ 支援を行う。


利用者教育・他図書館との連携(図書情報センター)

・膨大な学術情報資源を学生や院生が適切かつ有効に活用できるよう、 利用者教育の充実に努める。

・他の図書館との連携を進め、学術情報のさらなる充実に努める。

 ・利用者のニーズを的確に把握・分析し、それをもとに業務の見直し を行い、図書情報センターの機能向上に努める。


【留学支援】

海外への留学を希望する学生に対し、事前相談、情報提供などをきめ 細かく行う体制

を整備する。

国際交流に関する全学委員会を中心として交流協定校との交流内容等 を検討し、協定を実のあるものとしていく。

留学生帰国後も留学先との実質的な交流が継続・発展するよう努める。


【就職・進路支援】

就職を望む学生に対しては、就職カウンセラーや就職相談員が中心と なって一人ひと

りの能力、適性などに十分に配慮した指導・支援を行うことで、就職率 の向上(目標

値○%)を目指す。

進学や各種資格試験 準備などを望む学生に対しては、所属部局教員や学修カウンセラーとの協力により、学生の将来 像に合わせて、進学先やキャリア形成の助言を行う

the Tokyo U-club、同窓会との連携を図りながら、大学が一丸となって全学的に就職支援 を行う体制の整備を図っていく。


【外国人留学生支援】

国際交流会館、チューター制度、住居斡旋、外国人留学生相談など学 習、生活両面に関するきめ細かな支援を行う。

外国人留学生と日本人学生との交流を深めるため、また外国人留学生 の日本社会に対する理解を促進するためのプログラムを実施する。

外国人留学生のニーズを的確に把握し、支援の質の向上に努める。

オープンユニバーシティ等において、外国人留学生への日本語学習支 援・日本事情教育を実施する。


【適応相談】

学修をはじめ大学生活を送る中での悩みなどに対して、学生相談室に おいて個別相談

に応じる。

セクシャルハラスメ ントやアカデミックハラスメントなど、学生が直面する可能性のある特別の問題に関しては、別に設置された全学委員会(セクシャルハラスメント委員会、アカ デミックハラスメント委員会)と十分な連携を図りつつ解決を図る。

17年度に内容・件数等を調査するとともに、全キャンパスでの適応相談のあり方に

ついて協議し、18年度から新たな体制での対応を実施する。


【支援の検証】

定期的かつ継続的な検証

各種支援に対する学生へのアンケートだけでなく、必要に応じて追跡調 査も行いながら、支援内容を検証し、改善を図る。

2 研究に関する目標を達成するた めの措置


  1. 研究の内容等に関する目標を達成す るための取組み

  

研究の方向性

  

研究成果の社会への還元

・産業界や東京都をはじめとする自治体、NGONPOなどの非営利組織、各種市民団体 等との連携を積極的に進め、研究成果を広く社会に還元していく。

・オープンユニバーシティでの講座の提供等、研究成果を幅広く社会へ 還元するように努める。特に、社会人向けに、高度な内容の演習など大学院レベルの講座を設置し、一般の類似 事業とは一線を画した特徴づけを行う。


研究成果の評価

・研究目標を明確にしたうえで、研究成果について、研究分野に応じて 適切に評価ができる仕組みを検討する。


  1. 研究実施体制等の整備に関する取組 み


  ○多様化・複雑化する大都市の課題を解決していくために、既存の 学問体系を横断するような幅広い視点から行う研究に対しては、弾力的な人事配置や研究施設の確保・提供を図るなど、研究環境の支援に努める。


  ○学外の研究機関等との間で、研究者の相互交流を図る。


  ○研究費の配分

   研究の活性化を図るため、教員のインセンティブを高めるよう に、研究費の一部配分を工夫す る一方、真の意味で人類の知的遺産に貢献する研究を奨励するために、短期的成果主義の弊害を避け、基礎的研 究費を整える


外部資金等の獲得

・提案公募型研究などの外部資金や、科学研究費補助金等の国の競争的 資金を積極的に獲得するために、外部研究費戦略室(仮称)などの専門組織を設け、全学的な支援体制を整備する

3 社会貢献に関する目標を達成す るための措置

  1. 産学公連携に関する取組み


産学公連携の強力な推進(産学公連携センター)

・産学公連携センターにおいて、公募研究の積極的な情報収集、産学共 同研究プロジェクトの企画・選定、研究支援体制の整備・充実、知的財産の適切かつ効果的な管理・運用、東京都や企業、他の試験研究機関等とのネットワーク の構築による技術移転などを積極的に推進し、全学的な外部資金の獲得体制を強化し、大学の成果を産業界へ積極的に還元する。

・大学の研究シーズをデータベース化し、企業等に分かりやすい内容で 情報提供する。さらに、企業側のニーズを把握するため、企業ニーズ情報について、教員に対して情報提供できる環境を整える。

・他大学や研究機関と連携し、研究情報の共有化を図る。

・技術相談等を通して企業ニーズ等の把握につとめ、受託研究・共同研 究等を充実する。

受託研究件数、共同研究件数などにおいて平成15年度比○%増を目指す。


産学公連携の共同研究等を推進する方策(産学公連携センター)

産学公連携センターにおいて、外部資金研究費申請の支援や研究成果の 知的財産化、技術移転化を支援するモデル事業を設定し、それをリーディング・プロジェクトとして位置づけ、大学全体の研究推進に取り組む。

・学内研究費の重点的配分や外部資金獲得に対する支 援策について検討する。

・リーディング・プロジェクト選定にあたっての選定方法や基準を明確 にする。

・研究費受入のための手続の簡素化を目指す。


知的財産の管理・活用

・活用可能性が高いと見込まれる知的財産については、法人財産として 適切に管理・運用する。

さらに、権利化されたものについては、企業等による積極的な活用(技術移転)を図る。

・企業等への活用から得られた収入の一部を発明者に還元するなど、知 的財産の活用に向けたインセンティブの仕組みも整備する。

特許の出願件数において平成15年度比○%増を目指す。


(2)都政との連携に関する取組み

都との連携事業の推進

 都政の課題解決や施策展開に積極的に対応することで、都政のシンクタンクとし ての機能を発揮するとともに、大学の教育研究のより一層の活性化を図る。

 このため、都の連携施策推進会議の場をいかし、首都大学東京の都政のシンクタ ンクとしての役割を各局に周知するとともに、以下のような機能を担っていく。

 ・都の施策展開を批判的に支える調査・研究の実施

 ・各局の研修の中で大学の専門性をいかすことのできる研修プログラ ムの提案・提供

 ・都政・社会の要請に対応した教育・研究プログラムの開発

 ・関係審議会・協議会への参加

 以上のことを通じ、都政をはじめとして、関係区市町村等社会とのよ り一層の連

携を推進する。


都の試験研究機関や博物館・美術館などとの連携

・オープンユニバーシティにおける、魅力ある講座の提供

  ・大学と現場の試験研究機関や文化施設、福祉医療施設等の共同研究・共同事 業

・学生及び教員の交流の推進

   

(3)都民への知の還元 に関する取組み

生涯学習教 育、継続学習教育のニーズへの対応 (オープンユニバーシティ)

自治会館(仮称)や各学部キャンパスを活用し、一般都民を対象にした教養講座や

大学院レベルのセミナー、社 会人などを対象にしたキャリアアップ・リカレント講座などの講座を全学体制の下、17年度は150講座程度、18年度以降順次拡大し、実施していく。18年度は一般向け教養講座やキャリアアップ・リカレント講座を充実した上に、産学 連携講座、自治体等への研修支援講座を実施する。19年度以降は、それらに加えて学位取得等を目的とした講座の実施に努める。


日本語教育講座の開設(オープンユニバーシティ)

・日本語学習支援・日本事情教育などをオープンユニバーシティ等にお いて実施し、日本語教育に関する体制を整備・充実させる。

・また、より効果的な日本語教育に関する講座を実施するために、マル チメディアなどを利用した日本語遠隔教育システムの開発を検討する。


オープンユニバーシティを活用した学位取得プログラム等の検討

・英語教育や情報教育、資格取得などに関するプログラムや短期大学卒 業者などを

対象にした学位の取得等を目的とする講座について検討、実施に努め る。


自治体等の研修支援(オープンユニバーシティ)

・都庁内各局や東京都職員研修所、特別区職員研修所などとの連携によ り、職員の研修支援講座を検討・実施に努める。


オープンユニバーシティの都心展開

・首都大学東京の生涯学習の拠点として、より多くの都民等に教育研究 成果を還元するため、都民等が通所しやすい都心部(自治会館(仮称)など)を中心に講座を展開する。


オープンユニバーシティの講座の定期的な改善・見直し

・聴講者アンケートなどに基づき、ニーズの把握や内容の工夫を図る。 応募者が一定の規準に満たない講座については、アンケート等を参考にして、より参加者の見込める講座を次期に企画・実施し、都民・受講者ニーズの観点から 定期的な改善・見直しを図る。


一般開放・学術情報の発信(図書情報センター)

・大学の所蔵する豊富な学術情報を都民に還元する観点から、図書情報 センターの一般開放を早期に実現するよう諸条件の整備に努める。また、研究成果情報、学術情報などの電子化を推進し、社会に広く発信するよう努める。


 

 東京都立大学、東京 都立科学技術大学、東京都保健科学技術大学、東京都立短期大学に関する目標を達成するためにとるべき措置


 1 教育に関する目標 を達成するための措置

  1. 教育の内容等に関する取組み

  ○新旧大学が並存する平成22年度まで、学生・院生に対する履修指導・論文指導をはじめとする様々なサービスを含め、教育の実質的保障を行うために全学を挙げて対応する。具体的には、夜間課程も含め必要な授業科目の設置存続はいうまでもなく、教員の大量流出、新大学移行の拒否により開講 が困難になった科目も、責任をもって手当てする。


平成22年度までに卒業困難な学生・院生は、平成23年度に首都大学東京に学籍を移し、首都大学東京において必要な教育課程を履修す るように措置するなど、個別具体的な状況を踏まえ、適切に対応する。


(2)学生支援に関する取組み

  ○学生サポートセンターおいて学生支援をきめこまかく行う。


履修相談

   ・これまでと同様に履修相談を行い、きめこまかく指導・支援していく。


  ○ 就職支援

   ・就職に関する情報収集、情報提供、相談などのサービスを一元 的に行う。

・就職カウンセラーや就職相談員の支援により、就職に際して学生の希 望や能力

などが適切に反映できるよう努める。

the Tokyo U-club、同窓会との連携を図りながら、大学が一丸となって就職支援を行う体制の整備を図っていく。


 法人運営の改善に関 する目標を達成するためにとるべき措置


 1 業務運営の改善に 関する目標を達成するための措置


戦略的な法人運営制度の確立

  ・経営企画室を設置するなど法人全体の企画立案機能を強化する。

  ・経営戦略に基づく人員、予算等の配分システムを確立する。

  ・毎年度の業務実績に対する自己点検・評価や外 部第三者評価の結果等を公 正に以後の配分に反映させる。


効率的な法人組織の整備

  ・教員役職員の兼務、審議組織の一体的運営などにより新旧大学の 効率的運営を図る。

  ・旧大学の業務縮小に合わせ、組織・役職の計画的整理を実施す る。


迅速で公正な意 思決定の仕組みの構築

  ・人事委員会など「運営委員会」の設置

 理事長、学長、部局長の迅速な意思決定やリーダーシップを補佐する 組織として、法人の規程に基づき、専門的な事項を検討・審査する「運営委員会」を設置し、教授会との緊密な 連携のもと、効率的・効果的な意思決定システムを整備する。


  ○監事による内部監査と第三者監査の実施

  ・監事による内部監査を活用しとともに、公正な第三者監査を活用し、法人運営の不断の見直しを図る。


2 教育研究組織の見直 しに関する目標を達成するための措置


学部教育における新分野の構築

  ・既存の学問体系にとらわれず社会の要請に対応した新しい教育研 究コース構築の検討を積極的に行い、平成18年度以降のコース開設へ向けて取組みを進めていく。

平成18年度にシステムデザイン学部にインダストリアルアートコースを開設し、高付加価 値製品の開発・次世代産業の振興に不可欠なデザイン、アートの技法を教育する。平成20年度には、専門課程を開始する。

観光・ツーリズムコース(仮称)(世界有数の大都 市であるとともに豊かな自然をあわせもつ東京の特色をふまえた新しいコース)を平成17年度に検討し、平成19年度に文部科学省への届出を行い、平成20年度の開設をめざす。


教育研究組織の定期的な見直しのシステムの確立

  ・定期的な自己点検・評価及び外部評価を実施し、見直しにつなげる。

・教育研究に対する社会的要請の変化を捉え、教育研究組織の評価等に 基づき見直しを行い、新設・廃止改編を行う。


3 人事の適正化に関す る目標を達成するための措置


中長期的な視点からの人件費管理の実施

・本中期計画期間を通じて教員全体の質の確保に配慮しつつ人 件費総額を適正な水準に設定する。平成15年度比○%減少させる。


教職員への任期制・年俸制の一部導入及び公正な業績評価制度の適 正な運用段階的適用

  ・年功序列的人事を排し、業 績に応じた公正な任用給与制度を確立することで優秀な教職員を確保する。業績評価制度は平成18年度に試行し、公正かつ適正に運用できる保障を得たうえで、平成19年度以 降に本格実施する。


戦略的な教員人事の実施導入

人事委員会、教員選考委員会を有効に活用して、法人全体の人事の方針や計画に基づく戦略的な教員人事を導入する。

・研究機関等からの任用拡大や戦略的な外部招聘人事など多様な人材の 活用を図る。


教員採用における公平性・透明性の確保

・教員採用については、原則として、公募制により実施し、公平性・透 明性の確保を図る。

勤務時間管理の弾力化

  ・裁量労働制や兼業・兼職の基準緩和などにより、勤務時間管理の弾力化を図 る。


固有職員の権限付与 と人事給与制度の整備

  ・職階に応じた権 限を与えたうえで業績を適正かつ公正に評価し、給与や昇任に反映させる制度を 整備することにより、やる気と責任感をもって働ける職場環境とする


 4 事務等の効率化に 関する目標を達成するための措置


情報ネットワークの整備

・マルチキャンパスにおける業務の一体的な運用を実現するため、キャ ンパス間を繋ぐ情報ネットワークを整備し、事務の効率化を図る。

・南大沢・日野・荒川・昭島・晴海・新宿飯田橋の各キャンパスを結ぶキャンパス間ネットワークを整備する。これらを活用して、インターネット 回線速度の向上と経費の削減を図る。


効率的な執行体制に向けた定期的な事務組織の見直し

・開学後は首都大学東京と旧大学が併存するが、学年進行に合わせ、 新・旧両大学に係る事務執行の効率化を図るために計画的に学内事務組織の見直しを実施する。


アウトソーシングの活用

  ・業務委託や人材派遣などを活用し効率的な業務執行を図る。

 


 財務運営の改善に関 する目標を達成するためにとるべき措置


 1 外部資金等の増加 に関する目標を達成するための措置

全学的な外部資金等の獲得

外部資金獲得額を平成15年度比○○%拡大する。また、科研費等の国の競争的資金の獲得 件数を平成15年度比○○%拡大する。

外部研究費戦略室 (仮称)および産学公連携センターにおいて、全学的な外部資金等の獲得体制を整備する。

・外部資金を獲得した研究者や部門に、獲得額の一部を還元するなど、 外部資金獲得に向けたインセンティブの仕組みを整備する。

・科研費等、国の競争的資金についても獲得に向けたインセンティブの しくみを整備する。

・活用可能性が高いと見込まれる知的財産については、特許登録を行 い、企業等による積極的な活用に図り、実施料等の確保を図る。


 2 授業料等学生納付金に関する 目標を達成するための措置


授業料等学生納付金の適切な料額決定及び学生納付金の確保

  ・授業料等の学生納付金は、社会情勢等を考慮し、東京都が認可し た上限額の範囲内で、適正な額を設定していく。

・学生納付金の収納方法の改善を図り、未納を出来るだけ無くすよう努 める。

 ・授業料の減額免除については、優秀な学生の確保や、入学後の学生 の学習意欲向上などの観点も踏まえ、より効果的な仕組みを導入する。


3 オープンユニバーシティの事業収支の改善

  ○オープンユニバーシティにおいては、都民・受講者のニーズの観 点から講座を見直し、事業収支の改善に努める。


 4 経費の抑制に関す る目標を達成するための措置

契約の合理化・集約化等による管理的経費等の節減

・契約期間の複数年度化や契約の集約化、入札時における競争的環境の 確保、共同購入の仕組みの整備などを通じて、経費を削減する。


省エネの徹底

・キャンパス毎または部門毎に省エネルギー対策を講じ、光熱水費など の節減を図る。


アウトソーシングの活用

・管理的な業務に関しては、可能な限り、人材派遣職員を活用するとと もに、施設管理委託などを進め、管理的経費の削減を図る。


全学的なコスト管理の仕組み作りの検討

・各部門などにおいて経費削減のインセンティブを与える仕組みの導入 を検討する。


管理的経費の削減

  ・法人化に伴い法人として自ら負担しなければならない管理的経費 が増加するが、効率的な事業執行を図り管理的経費を平成15年度比○○% 削減する適正な水準に保つ


 5 資産の管理運用に 関する目標を達成するための措置

施設利用の適正化

・学内施設利用の適正化を推進し、活用可能なスペースの拡大を図る。


学内施設の貸付等有効活用

・学内施設を有効に活用するため、学外への貸出等を実施する。


適正な施設使用料等の設定

・法人所有施設の使用料については、原則として、受益者の適正な負 担、法人の収益確保などの観点から、適正な使用料を設定する。


建物・設備の計画的改修

・大規模な施設(建物や設備)を良好に維持管理するため、計画的な改 修を行う。

・大規模施設の改修財源は、設立団体である東京都から施設費補助金を 適切に確保する。


知的財産の有効管理

・知的財産については、特許の維持経費にも配慮した運用を行う。


効果的な資金運用・資金管理

・法人の安定的な資金運用・資金管理を行うため、法人独自の「資金管 理基準」を作成する。

・資金運用・資金管理においては、安全性、安定性等を考慮し適正に行 う。


6 剰余金の適切な活用による戦略的な事 業展開に関する目標を達成するための措置

剰余金の有効活用

・各年度の法人の剰余金のうち、設立団体の長である都知事が経営努力 等により生じたと認める分については、法人の戦略的な事業展開に活用できる仕組みをつくっていく。

  ・経費削減等の努力を行った部門に剰余金の一部を還元 するなど、適切なインセンティブを与える仕組みを検討する。

  

 自己点検・評価及び 当該状況に係る情報の提供に関する目標を達成するためにとるべき措置


 ○部局ごとの中期計画・年度計画の策定

  中期目標や本中期計画に基づき、部局ごとの中期計画・年度計画を 策定する。具体的な項目について、 達成時期や数値目標を定める。


年度計画に基づく部局長の自己評価

・各部局においては、当該年度終了後は、部局の中期計画・年度計画の 実施状況について自己点検・評価を行い、不断の自己改善につなげていく

・その結果は、翌年度以降の事業実施体制や部門内の 人員・予算等の配分に反映させるなど、不断の自己改善につなげていく。


法人及び各部局における自己点検・評価体制の整備

・監事による法人の内部監査に加え、部局ごとに自己点検・評価を行 う。

 ・教育研究に関しては、基礎教育センターが所管する全学委員会が自己点検・評価を統括する。

・中期目標及び中期計画の達成状況・実施状況に関しては、経営審議会企画室が統括して、自己点検・評価を行う。

 ・自己点検・評価の結果は速やかにHPな どで学内外へ公表する。


 ○自己点検・評価における外部有識者の視点の導入

 ・教育研究の自己点検・評価に際しては、内部評価 のみならず、外部専門家の意見を反映させる。

 ・中期目標・中期計画の達成状況・実施状況の自己 点検・評価に関しては、経営審議会の外部委員などの、専門的見地からの意見を反映させる。


 ○評価結果を法人運営にフィードバックさせる仕組みづくり

 ・自己点検・評価の結果は、速やかに法人運営の改善につなげる。

・教育研究に関する認証評価機関の評価や、中期目標・中期計画の達成 状況・実施状況に関する評価委員会の評価結果も踏まえ、実効的な改善策を検討し、法人運営に迅速に反映させる。


 

 その他業務運営に関する重要目標 を達成するためにとるべき措置


1 情報公開等の推進に 関する目標を達成するための措置

自己点検・評価その他の評価結果の公表

  ・自己点検・評価その他の評価結果は確定後速やかに公表する。


  ○学内情報の公開

  ・広報刊行物・ホームページなどを活用し、法人及び大学に関する 情報発信を積極的に行うなど、受験生・納税者などへの広報活動の充実を図る。

  ・教員の研究活動に関するデータベースを整備し公開し、産学公連 携の推進を図る。


  ○情報公開

  ・東京都情報公開条例及び東京都個人情報の保護に関する条例に基 づき、情報公開に関する関係規程を整備し、情報公開請求に適切に対応していくとともに、適正な個人情報保護を図る。



 2 施設設備の整備・ 活用等に関する目標を達成するための措置

施設の維持・保全計画の策定

  ・法人所有の施設(建物・設備)について維持・保全計画を策定 し、良好な施設維持管理を行う。


老朽施設の計画的な維持更新

・更新の必要がある老朽施設(建物・設備)については、教育研究環境 の確保を図るため、適切な維持更新を計画的に行う。

・施設費補助金の確保等に努める。


既存施設の適正かつ有効な利用

・既存施設については、利用状況を把握し、スペースの有効活用を進め る。

・空き施設や休日のキャンパスなど、直接利用をしていない場合には、 外部貸出などの有効活用を検討する。

・外部貸出にあたっては、料金収入を施設の維持・管理に充てることも 検討する。


 3 安全管理に関する 目標を達成するための措置

   

  ○全学的な安全衛生管理体制の整備

  ・全学的な安全衛生管理体制を整備する。

  ・放射線などの危険防止に向け、施設の点検等を徹底するととも に、毒劇物等の保管状況の点検などの取組を適切に行う。

  ・廃棄物の適正処理など、環境保全にも十分な配慮を行う。


地域及び関連機関との連携、ライフラインと通信連絡手段の確保

  ・大規模災害に備え、地域や関連機関との連携体制を整備する。

  ・ライフラインや通信連絡手段の確保を図り、大規模災害発生時に も的確に対応できる体制を整備する。


損害保険の設定

  ・法人化後は法人の財産や人命等に係る損害保険を設定し、事故や 災害に対するリスク管理を徹底する。