緊急4大学教員集会

2004年5月28日


4大学全教員の皆様


「就任承諾書(助手に対しては「意思確認書」)の提出の前提となる諸条件の明 確な説明と協議体制の実現を求める」緊急4大学教員集会への参加を呼びかけま す。

 新大学の設置に向けて「就任承諾書」(助手に対しては「意志確認書」)の提 出が求められる状況の中、多くの重要な問題が未解決、未解明のまま残されてい ます。将来にわたって悔いの ない大学改革を実現するために、全教員の叡智を 結集し、協力してこの局面を切り開きましょう。

日時:6月4日(金曜日)午後6時〜8時 
   東京都立大学 教養部教室棟110番教室
主催:4大学教員声明呼びかけ人会
賛同:開かれた大学改革を求める会、文系助手会有志、理学研究科助手会有志、 工学研究科助手会有志

2004年5月28日
4大学呼びかけ人会 連絡担当 川合康、小柴共一、山田雅弘、渡辺恒雄



「就任承諾書(助手に対しては「意思確認書」)提出の前提となる諸条件の明確 な説明と協議体制の実現を求める」緊急4大学教員集会への参加を呼びかける

主催:4大学教員声明呼びかけ人会 賛同:開かれた大学改革を求める会、文系助手会有志、理学研究科助手会有志、 工学研究科助手会有志

日時: 6月4日(金)18時〜20時 場所: 東京都立大学 教養棟110番教室

昨年8月1日以降、東京都が都立4大学と全く協議に応じないまま、新大学の設計 を強権的に進めてきたことに対して、4大学教員声明呼びかけ人会は、本年1月 21日に都立4大学の教員432名の賛同署名に基づき声明「都立新大学設立のた めの開かれた協議体制の速やかな確立を求める」を公表し、大学管理本部が現大 学と正常な協議体制を構築するよう強く要望した。これに対して、それ以降も、 新大学の学部長予定者を突然に公表したり、少数意見であった「都市教養学部」 の学部名称を最終決定したり、「現大学との対話、協議に基づく妥協はありえな い」(3月9日、西澤潤一学長予定者・大学管理本部長文書)と大学との協議を拒 否するなど、大学管理本部は上意下達の手法を改めていない。しかし、3月に 入って、都立大総長をはじめ多くの方々の努力により、正常な協議体制に向けて 「重要な前進があった(3月29日総長メモ)」との判断から、理学研究科、人文 学部の教員も含めて意思確認書を多くの教員が提出した。この時点で、教員側の 評価は必ずしも一致したものではなく、意思確認書を提出しない教員もいたし、 意思確認書を提出した教員の多くが、決して白紙委任としてこの書類を捉えてい たものではないことは、各教授会での議論や付帯条件を見れば明らかである。 その後、4月には経済COEグループが正常な協議体制などを求めて「意思確認 書」を提出しなかったことに対して新大学に「経済学コース」を設置しないこと を決めたり、3月9日の文書の撤回はあり得ない事を明言したり、さらに、大学 院の定数配置を曖昧にするなど、事態は一方で深刻化してきている。4月13日に 4大学教員声明呼びかけ人会が、大学管理本部に対して再度「開かれた協議体 制」を求める声明を発表したのも、まさにこのような状況を憂慮したからであっ た。

 こうした中、4月28日、大学管理本部は文部科学省に対して新大学「首都大学 東京」の設置認可申請を行った。5月20日には、西澤潤一教学準備会議座長名で 「就任承諾書等の提出について」という文書を首都大学東京各学部長・研究科長 予定者に送り、各教員に対して7月初旬に文科省に提出する「就任承諾書」を、 6月17日までに提出するよう求めている。また、同日経営準備室から提示のあっ た、助手定数(案)と再配置(案)では、助手の意思の如何にかかわらず、再配 置を強行する可能性を示した。同時に、この中で助手に対して「意思確認書」の 提出を求められている。また、5月26日に提出された「首都大学東京学則(素 案)」および「首都大学東京大学院学則(案)」において、数年前に都立大では 大学院部局化を果たし研究総合大学を目指して進んでいるにもかかわらず、教員 が学部所属として扱われていることも、重大な内容を含んでいると考えざるを得 ない。

このような状況にあって、私たちは少なくとも次の4項目について、大至急大学 管理本部、教学準備会議、経営準備室が、誠意ある明確な説明を全学の教員に対 して行うことを強く要望する。
(1)助手定数の決め方、根拠、および、再配置の進め方。
(2)2006年度に予定している新大学の大学院基本構想(部局化、基本理念、 基本骨格等)。
(3)新大学における教員の勤務・労働条件と身分保障の問題。
(4)今後の正常な協議体制。
これらの問題について、現大学の執行部等としかるべき話し合いの場を早急に設 定し、その内容を文書等で現大学の全教員に就任承諾書(助手に対しては「意思 確認書」)の提出締切以前に示すことを強く求める。これらの点が明らかにされ ない限り、私たちは研究者・教育者として今後の人生を左右する「就任承諾書」 (「意思確認書」)を提出すべきかどうか、判断する材料をもたないからであ る。

 特に、助手の再配置などについては、当人にとっては教育・研究環境の激変を 招く深刻な問題であり、助手の本人の意思を無視した再配置は決して許されるも のではない。また、新大学の大学院構想については、博士課程まで有する研究者 養成機能をもつ大学院となるのかどうか、これまでのように人文科学から理学・ 工学まで幅広い専攻をもつ大学院として設計されるのかどうか、教員の所属を大 学院とする大学院部局化が行われるのかどうか、などの点は、私たちが新大学で 教育・研究を続けていくことを判断するための大きな基準となる問題である。任 期制・年俸制などの勤務労働条件と身分保障についても、大学の教育・研究の実 情を無視した不合理な任期制・年俸制が一方的に示されているのみで、公平性や 透明性を確保する方法・仕組については全く説明がなされていない。現在、大学 管理本部が提示している勤務労働条件と身分保障の在り方は、新大学で真剣に教 育・研究に取り組もうとしている教員にとっては、大きな不安と不信を抱かせる 内容であり、「就任承諾書」(「意思確認書」)の提出を困難にさせるものとい える。大学管理本部は、優秀な教員を確保するために任期制・年俸制を導入する と説明しているが、それがいかに研究者の世界で誤った発想であるかは、教員の 大量転出や最近行われた新大学の公募人事で応募者が1桁という低調さを見れば 明白である。これまでの都立の大学の公募人事ではありえないような状況を、大 学管理本部がわざわざ創り出しているのであり、長期にわたって築いてきた都立 の大学の名誉を傷つけているのである。大学管理本部は、すでに現実化している このような弊害を真摯に受け止め、より大学の教育・研究に相応しい勤務労働条 件と身分保障を早急に大学側と協議し、改善案を提示するべきである。

 このように「就任承諾書」(「意思確認書」)の提出が具体的な日程に上って きた現段階においても、なお多くの重大な問題が不明確な状態である。私たち は、4大学に勤務し、教育と研究に携わり、現在と未来の学生・院生と大学の将 来に責任を持つ大学教員として、多くの教員が大学の将来に責任を持つ立場から 本集会に参加し、率直に意見を述べあい、多くの教員の智恵と協力で、この局面 を切り開くことを希望する。