東京都知事石原慎太郎殿
東京都大学管理本部本部長山口一久殿
都立の大学を考える都民の会
呼びかけ人:池上洋通(自治体問題研究所研究員)
金子ハルオ(都立大学名誉教授)
清水 誠(同)
暉峻淑子(埼玉大学名誉教授)
山口昭男(岩波書店社長)
事務局:法政大学社会学部荒井容子研究室気付
東京学芸大学障害児教育講座高橋智研究室気付
平成15年12月11日
河合塾への業務委託についての申し入れ書
申し入れ事項
石原都知事が12月4日の定例記者会見で述べられた、都立新大学に関する業務委託はとりやめていただくこと。
理由
都立新大学は、現在の都立4大学が移行したものと考えるのが当然です。なぜなら、新大学は現行4大学の教員によって担われ、4大学の施設・設備を用い、新大学は移行型地方独立行政法人として設立されるからです。したがって、外部に業務委託せず、現行4大学の教員が主体となって新大学のカリキュラムが作られるのが当然だと考えます。
地方独立行政法人法が審議された国会において、再三、学問の自由、大学の自主性自律性が尊重されるべきことが確認され、衆院及び参院の付帯決議においてもその点が確認されていますから、外部への業務委託によらず、現大学の教員の判断を尊重すべきです。
すでに、文部省への設置認可申請のために、現行大学教員が新大学のカリキュラムを作成していると聞いています。したがって、大学管理本部は、業務委託の前に真摯に現大学教員作成のカリキュラムについて当該教員と協議すべきだと考えますし、現行大学教員にその作成能力がないとは思えません。
12月5日の朝日新聞の報道によると、河合塾に支払われる費用は3000万円とあります。これは、現大学の教員が作成すればかからない費用で、都民の税金を無駄にします。
業務を委託されるとされる河合塾は、進学塾として、都立の大学を志望する高校生・受験生の指導もされるはずで、新大学のカリキュラム作成過程において特定の進学塾が都立の大学の情報を独占することになりかねません。そのことに「公平性」からみて大きな疑義をもちます。