首都大学東京大学院学則

(2005年2月17日)
(<文部科学省提出>最終版?)

第1章 総則
(目的)
第1条 首都大学東京大学院(以下「大学院」という。)は、広い視野に立つて、専門分野に関する専門的な学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥を究め、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、都民の生活と文化の向上及び発展に寄与することを目的とする。

(自己点検、評価等)
第2条 大学院の目的及び使命を達成するための自己点検及び評価については、首都大学東京学則(以下「大学学則」という。)に定めるところによる。

第2章 研究科の組織構成
(課程)
第3条 大学院に博士課程及び専門職学位課程(専門職大学院設置基準(平成15年文部科学省令第16号)第2条第1項の課程をいう。以下同じ。)を置く。
2 博士課程は、これを前期2年の課程(以下「博士前期課程」という。)及び後期3年の課程(以下「博士後期課程」という。)に区分し、博士前期課程は、修士課程として取扱うものとする。
3 博士前期課程は、広い視野に立つて精深な学識を授け、専攻分野における研究能力又は高度の専門性を要する職業等に必要な高度の能力を養うことを目的とする。
4 博士後期課程は、専攻分野について、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする。
5 専門職学位課程は、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とする。

(研究科及び専攻)
第4条 大学院の研究科及び専攻は別表第1のとおりとする。

(専門職学位課程)
第5条 専門職学位課程のうち専ら法曹養成のための教育を行うことを目的とする研究科専攻は、当該課程に関し、法科大学院(社会科学研究科法曹養成専攻に限る。以下同じ。)とする。

(学生定員)
第6条 学生の定員は別表第2のとおりとする。

(事務組織)
第7条 大学院に関する事務の執行は、関連する事務組織がこれにあたる。

第3章 教員組織
(教授会)
第8条 研究科に教授会を置く。
2 教授会は、当該研究科の教授をもって構成する。
3 教授会に助教授その他の職員を加えることができる。
4 研究科長は、教授会を招集し、その議長となる。
5 教授会は、教育研究審議会の議を経て定められる基本方針に基づき、次に掲げる事項を審議する。
 一 教育及び研究の状況について自ら行う点検、評価に関する事項のうち、当該研究科に係る事項
 二 学生の入学、課程の修了その他学生の在籍に関すること及び学位の授与に関する事項
 三 教育課程の編成に関する事項
 四 その他教育研究に関する重要な事項
6 前5項に定めるもののほか、教授会に関する必要な事項は、別に定める。

(授業担当教授)
第9条 大学院における授業及び指導は、本学の教授又はこれに準ずる者(以下「授業担当教授」という。)が担当する。
2 前項の授業担当教授は、当該研究科の教授会の議に基づき、その者の所属する教授会の承認を得て、学長が命ずる。

(代議員会)
第10条 研究科の教授会に代議員会を置くことができる。
2 第8第5項各号のうち、教授会が定める事項については、代議員会の議決をもって教授会の議決とすることができる。
3 研究科長は、代議員会を招集し、その議長となる。
4 代議員会の構成等、必要な事項は、別に定める。

第4章 学年、学期、修業年限等
(学年等)
第11条 学年は、前期に入学するものにあっては4月1日から翌年3月31日までとし、後期に入学するものにあっては10月1日から翌年9月30日までとする。
2 学期及び休業日については、大学学則の定めるところによる。

(修業年限)
第12条 博士前期課程の標準修業年限は2年とし、博士後期課程の標準修業年限は3年とする。
2 法科大学院の標準修業年限は3年とする。
3 法科大学院に2年履修課程と3年履修課程を置く。

(法学既習者)
第13条 社会科学研究科長は、法科大学院において必要とされる法学の基礎的な知識を有すると認められる者を法学既修者として認定する。
2 法学既修者は、法科大学院において既に1年間在学したものとみなし2年履修課程に受入れる。その他の者は3年履修課程に受入れるものとする。
3 法学既修者は、法科大学院において修得を必要とする単位のうち、26単位を既に修得したものとみなす。

(在学年限)
第14条 博士前期課程の在学期間は4年を、博士後期課程の在学期間は6年を超えることができない。
2 法科大学院の在学期間は、3年履修課程は6年を、2年履修課程は4年を超えることができない。
3 前2項の規定にかかわらず、特別の事情により、所属研究科の教授会で特に認められた場合は、前2項に定める在学年限を超えて在学することができる。

(長期にわたる教育課程の履修)
第15条 前条の規定にかかわらず、学生が在学年限を超えて一定の期間にわたり計画的に教育課程を履修し課程を修了することを希望する旨を申し出たときは、別に定めるところにより、その計画的な履修を認めることができる。

第5章 入学等
(入学資格)
第16条 大学院の博士前期課程に入学することのできる者は、次の各号の一に該当する者でなければならない。
 一 大学を卒業した者
 二 学校教育法第68条の2第3項の規定により学士の学位を授与された者
 三 外国において、学校教育における16年の課程を修了した者
 四 外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修することにより当該外国の学校教育における16年の課程を修了した者
 五 文部科学大臣の指定した者
 六 大学に3年以上在学し、又は外国において学校教育における15年の課程を修了し、大学院の当該研究科の教授会においてあらかじめ定めた単位を優れた成績をもつて修得したものと認めた者
 七 大学院において、個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、22歳に達したもの
2 博士後期課程に入学することのできる者は、次の各号の一に該当する者でなければならない。
 一 修士の学位を得た者
 二 専門職学位(学校教育法第68条の2第1項の規定に基づき学位規則(昭和28年文部省令第9号)第5条の2に規定する専門職学位をいう。以下この項において同じ。)を得た者
 三 外国において修士の学位又は専門職学位に相当する学位を授与された者
 四 外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修し、修士の学位又は専門職学位に相当する学位を授与された者
 五 文部科学大臣の指定した者
 六 大学院において、個別の入学資格審査により、修士の学位又は専門職学位を有する者と同等以上の学力があると認めた者で、24歳に達したもの
3 法科大学院に入学することのできる者は、次の各号の一に該当する者でなければならない。
 一 大学を卒業した者
 二 学校教育法第68条の2第3項の規定により学士の学位を授与された者
 三 外国において、学校教育における16年の課程を修了した者
 四 外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修することにより当該外国の学校教育における16年の課程を修了した者
 五 文部科学大臣の指定した者
 六 大学に3年以上在学し、又は外国において学校教育における15年の課程を修了し、社会科学研究科の教授会においてあらかじめ定めた単位を優れた成績をもつて修得したものと認めた者
 七 大学院において、個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、22歳に達したもの。

(入学等)
第17条 入学、退学、除籍、転学、留学及び休学等の学生の身分に関する事項に関しては大学院学則に定める場合を除き、大学学則に定めるところによる。

(転入学)
第18条 学長は、他の大学の大学院に在学する者で、課程の中途において本学の大学院に転入学を申請する者があるときは、研究科で選考し、入学を許可することができる。
2 前項に関する規定は、別に定める。

(休学)
第19条 休学期間は、課程ごとに通算して3年を超えることができない。
2 前項の規定にかかわらず、特別の事情により、教授会で特に認められた場合は、前項に定める休学期間を超えて休学することができる。
3 前2項に定めるもののほか、休学については、大学学則の規定を準用する。

(留学)
第20条 学長は、学生が外国の大学の大学院又は研究所等に留学し、当該大学院等の研究指導を受けることが教育上有益と認めるときは、当該大学院等との協定又は協議に基づき、留学を許可することができる。
2 前項の許可は、学生からの留学の申請に基づき、当該学生が所属する研究科の教授会の議を経て行う。
3 留学の期間は、在学期間に算入することができる。

第6章 教育課程及び履修方法
(指導教授の指定)
第21条 学生は入学当初に指導を受けようとする教授(以下「指導教授」という。)の指定(法科大学院を除く。)を受ける。

(指導教授の指導)
第22条 学生は、毎年度当初に、その学年に履修しようとする授業科目につき、予め指定された方式に従い受講を申請し、その承認を得なければならない。
2 学生は、科目の選択、論文の作成、研究一般について指導教授の指導を受ける。
3 指導教授が必要と認めるときは、その指定する授業科目を学生に履修させることができる。

(単位)
第23条 研究科の授業の単位の基準は、学部の授業の単位の基準による。

(履修方法等)
第24条 前条の授業科目の履修方法は、次のとおりとし、これに関する細則は、別に定める。
 一 博士前期課程の学生は、在学中に30単位以上取得しなければならない。
 二 博士後期課程の学生は、在学中に20単位以上取得しなければならない。ただし、博士後期課程保健科学研究科保健科学専攻においては在学中に10単位以上取得しなければならない。
 三 法科大学院3年履修課程の学生は、在学中に93単位以上(必修科目60単位を含む。)を修得しなければならない。
 四 法科大学院2年履修課程の学生は、在学中に67単位以上(必修科目34単位を含む。)を修得しなければならない。

(授業科目及び配当単位)
第25条 研究科の専攻別授業科目及び配当単位数は別表第3のとおりとする。
2 前項に定めるもののほか、教授会の議を経て、授業科目を開設することができる。

(単位の認定)
第26条 履修授業科目の単位の認定は、筆記試験若しくは口頭試験又は研究報告によるものとし、毎学期又は毎学年末に行うものとする。

(学修の評価)
第27条 学修の評価は、大学学則第40条の規定を準用する。

(他の大学院における授業科目の履修等)
第28条 他の大学院等における授業科目の履修及び入学前の既修得単位の認定については、大学学則第43条第1項(同条2項において準用する場合を含む。)、第45条第1項及び第3項の規定を準用する。この場合において、大学学則第43条中「他の大学又は短期大学」とあるのは「他の大学院、大学又は短期大学」と、「60単位」とあるのは、「10単位」と、第45条第3項中「前2項」とあるのは「前項」と、「60単位」とあるのは「10単位」と読み替えるものとする。
2 前項後段の場合において、第45条第3項中「60単位」とあるのは、法科大学院3年履修課程は「10単位」、法科大学院2年履修課程は「4単位」と読み替えるものとする。

(他の大学院、研究所等における研究指導)
第29条 学長は、学生が他の大学院又は研究所等に おいて研究指導を受けることが教育上有益であると認めるときは、当該学生が 所属する研究科の教授会の議を経て、当該大学院等との協定又は協議に基づき、これを許可することができる。

第7章 修了要件
(博士前期課程の修了要件)
第30条 博士前期課程の学生は、2年の在学期間を満たし、正規の授業を受け、博士前期課程専攻所定の授業科目について30単位以上を修得し、更に学位論文を提出し、かつ、最終試験を受けなければならない。
2 前項の場合において、研究科の教授会において必要と認めた場合は、30単位のうち10単位以内に限り、当該研究科のほかの専攻の授業科目若しくは他の研究科の専攻の授業科目又は学部の授業科目を履修し、これを充当することができる。
3 第1項に定める修了要件のうち、在学期間に関しては、優れた研究業績を上げたと認めた者については、博士前期課程に1年以上在学すれば足りるものとする。この場合において、当該博士前期課程の目的に応じ適当と認められるときは、特定の課題についての研究の成果の審査をもって学位論文の審査に代えることができる。
4 博士前期課程社会科学研究科経営学専攻においては、前3項に定めるもののほか、第1項に定める修了要件のうち「授業科目について30単位以上を修得し、更に学位論文を提出し」を「授業科目について36単位以上修得し、更に特定の課題についての研究の成果を提出し」と読み替え、学生の修了要件とすることができる。

(博士後期課程の修了要件)
第31条 博士後期課程の学生は、3年の在学期間を満たし、正規の授業を受け、博士後期課程専攻所定の授業科目を20単位以上修得し、更に学位論文を提出し、かつ、最終試験を受けなければならない。
 ただし、在学期間に関しては、次項に該当する者を除き、特に優れた研究業績を上げたと認めた者については、博士後期課程に1年以上在学すれば足りるものとする。
2 前条第3項の規定に基づき、1年の在学期間をもって博士前期課程を修了した者の博士後期課程の修了にあっては、在学期間に関しては、当該研究科の教授会において優れた研究業績を上げたと認めた場合には、博士後期課程に2年以上在学すれば足りるものとする。
3 博士後期課程保健科学研究科保健科学専攻においては、前2項に定めるもののほか、第1項に定める修了要件のうち「授業科目について20単位以上を修得し」を「授業科目について10単位以上修得し」と読み替え、学生の修了要件とする。

(最終試験)
第32条 学位論文の審査及び最終試験は、その指導教授をもつて主査とし、研究科の教授会の推薦により学長の指名する2名以上の関連科目の授業を担当する第9条に定める大学院授業担当教授又はこれに準じる者を加えて行う。
2 最終試験は、所定の単位を修得し、かつ、学位論文を提出した者について行うものとする。
3 前項の最終試験は、学位論文を中心とし、これに関連のある授業科目について筆記又は口頭により行う。

(課程修了の認定)
第33条 学位論文及び最終試験の合否については、大学院教授会が審査会を組織し、その審査報告に基づいて決定する。

(法科大学院の修了要件)
第34条 法科大学院3年履修課程の学生は、3年の在学期間を満たし、正規の授業を受け、3年履修課程所定の授業科目(必修科目60単位を含む。)93単位以上を修得しなければならない。
2 法科大学院2年履修課程の学生は、第13条第2項及び第3項に定めるもののほか、2年の在学期間を満たし、正規の授業を受け、2年履修課程所定の授業科目(必修科目34単位を含む。)67単位以上を修得しなければならない。
3 前2項の必修科目については、社会科学研究科長が別に定める。

(学位の授与)
第35条 博士前期課程においては第30条、博士後期課程においては第31条の規定により所定の単位を修得し、かつ、学位論文の審査及び最終試験に合格した者に対しては、それぞれ当該課程を修了したものと認め、学位を授与する。
2 論文を提出して博士の学位を請求した者については、その論文が第31条第1項の規定により提出されるものと同等以上の内容のものであり、かつ、試験により専攻学術に関し、同様に広い学識と研究を指導する能力を有するものと確認されたときは、学位を授与する。
3 法科大学院において、第34条の規定により所定の単位を修得した者に対しては、専門職学位課程を修了したものと認め、学位を授与する。
4 本条により授与する学位については、別に定める。

(教育職員免許状の資格の取得)
第36条 教育職員の免許状の取得資格を取得しようとする者は、教育職員免許法(昭和24年法律第147号)及び教育職員免許法施行規則(昭和29年文部省令第26号)に基づき所定の単位を修得しなければならない。
2 大学院において取得できる教育職員免許状取得資格の種類及び教科は別表第4のとおりとする。

第8章 賞罰
(賞罰)
第37条 賞罰については、大学学則に定めるところによる。

第9章 授業料その他の費用
(授業料等)
第38条 授業料、入学料、入学考査料、証明書発行手数料及び学位論文審査手数料等については、別に定める。
2 入学料の減免並びに授業料の納入方法、分納、減額及び免除等については大学学則第3章の規定を準用する。

第10章 科目等履修生
(科目等履修生等)
第39条 科目等履修生及び外国人学生については別に定める。
2 他の大学の大学院の学生で、本学大学院の研究科において研究指導を受けることを志願する者があるときは、当該他大学院との協定又は協議に基づき、特別研究学生として入学を許可することができる。
3 特別研究学生に関し必要な事項は、別に定める。

第11章 学生寮及び厚生保健施設
(厚生保健施設)
第40条 厚生保健施設については、大学学則に定めるところによる。

第12章 雑則
(細則)
第41条 この学則に定めるもののほか、この学則の施行に関し必要な事項は、別に定める。

附 則
この規則は、公布の日から施行し、平成17年4月1日から適用する。