大学管理本部長 村山寛司殿
<意見>
東京都立大学総長 「任用・給与制度の選択について(照会)」については数多くの疑問が出されており、現在に至っても多くの教員が、回答を保留してい る。選択の対象とされている「新制度」「旧制度」はともに、現在適用されている任用・給与制度からの重大な変更を伴うものである。こ れは、法人への円滑な移行と雇用の継承をうたった地方独立行政法人法の趣旨に照らして強い疑問がある上、新大学の教育研究の安定的な 遂行にとって大きな障害となる危険性がある。このことは、これまでにも経営準備室運営会議の場などにおいて、つとに指摘してきたとこ ろである。 加えて、1月18日、本学において行われた大学管理本部による説明会などにおいては、「新制度」の根幹をなす職務給・業績給の設定 の仕方や評価基準、再任にあたっての評価基準等のすべてに関して、いまだに検討中であり未定であることがあらためて明らかにされた。 しかも、宮下参事からは現在示されている「新制度」は職務評価・業績評価方法などが定まるまでの「暫定制度である」との説明もあった 。 また説明会の場では、「特例措置」「経過措置」などの新たなものが示された。しかし、重要な変更を伴うこれらの「措置」が、あらか じめ設定された「制度選択」の回答期限直前に、全教員への徹底がほとんど不可能な時点になって、しかも経営準備室運営会議における審 議もなしに出されるなど、手続的にも疑義がある。 言うまでもないことであるが、新大学の発足時にはとりわけ全教員の積極的な協力・共同が求められる。そうした教育研究の環境におい て、異なる任用・給与制度の教員が相当な割合で混在することは大きな問題をはらんでいることも指摘しておきたい。 以上の点を考慮すると、「新制度」は少なくともその骨格が明らかになる段階であらためて提案がされるべきあり、その段階とされている 平成18年度までの間は、法人設立後も、任期の定めがなく昇給・昇任を認める現行制度を暫定制度として継承すべきである。 |