各大学教職員の皆様へ --- 大学管理本部長 山口 一久(P.2〜5)


1 四大学総長・学長懇談概要(平成16年3月23日開催)

(1) 現時点で意思確認書の提出のない経済学グループを含め、多くの人が新大学に 参加してほしいという西澤学長予定者の意向に出席者一同が賛同した。

(2) 茂木総長から、これまでも17年度新大学開設に向け努力してきたが、引き続き 経済学グループの説得に最大限努力する旨発言があった。発言を受けて三大学学 長も支援する旨快諾した。

(3) 今後とも、何か重要なことがあったときに、このようなそれぞれ学長が率直に 意見をいう機会があればよいということを確認するとともに、以下の点について 意見が一致した。

  ・経済学グループの主張する定数間題では妥脇しないこと。
  ・総長推薦の経済学の窓口担当教員を変更すること。
  ・新大学への参加意思を示した人たちは、新大学の基本的な枠粗みを了解したうえで建設的
  に新大学の実現に取り組むことを表明したのであり、文部科学省への申請段階で反対運動を
  展開するということは許されない。
  詳細設計で意見を戦わすことはあっても、新大学に向け建設的に取り組むこと。
  ・教学準備委員会を決定機関として、新大学の開学準備を進めていくこと。
  ・過去のことは問わないが、法科大学院のようなことは二度と起こさない。
  今後も、この教訓を重く受け止める必要があり、このようなことを二度と起こさないことは我々
  の義務であること。


2 第7回教学準備委員会(平成16年3月29日開催)関係事項

(1) 単位バンク検討部会報告について

検討内容について、石島部会長より報告。単位バンクの推進にあたっては、学長直 轄の独立組織が必要であることを強調し、委員会としても組織案として了承した。ま た、学生の経済的負担、カリキュラムの系統性、JABEEとの関係等について質問が あり、学生は、他大学の単位バンク登録科目を受講する際は、当面は科目等履修生と して費用を支払うこと、カリキュラムの系統性については、望ましい能カを身に着け るための科目群を履修するため間題ないこと、JABEEとは抵触するものではない別 途の仕組みであることを、それぞれ回答。初の制度ということもあり、理解が難しい 点があるので今後必要に応じて説明をしてほしい旨要望あり。
新年度は、全学的に単位バンクの導入に取り組むため、趣旨を徹底するとともにそ れぞれ学間分野の特性もあることから、今後運用については学間分野別に設ける科目 登録委員会(準備会)分科会等で意見を交わしていくことを了承した。

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(2) 大学院WG設置報告について

3月22日にWGを設置した旨、原島部会長より報告。次回4月下旬開催予定めWG で、各委員が座長たたき台案をべ一スに構成案を持ち寄り、組織構成及び分野別WG の構成を議論する予定。
さらに、第1回WGの主要事項は分野をどのように切り分けるかという点のほか、 教員を仮に大学院所属とした場合、平成17年度に全員が大学院を担当するための教 員審査を受けることが前提であることから、結果的に大学院を担当しない教員が教授 会等の組織に直接参画できない旨懸念があるため、対処策が必要なことを報告。

(3) 学部等名称について

英語訳も含む名称を検討。原案の都市教養学部や保健福祉学部について、総合教養 学部や健康福祉学部等、対案が出た。最終判断については、座長一任とされ、会議終 了後座長決定(決定資料別紙)。

(4) 留学生サポート体制の強化

前回の学生支援に続いて、留学生サポート体制の全学的取り組みについて提案、了 承。

(5) 経済学コースの取扱について

経済学グループから未だ意思確認書が提出されていないことから、対応について検 討。その結果、基本的に経済学コースは設置しないことを決定。
ただし、総長が31日までに説得して全員が意思確認書を提出して来た場合に限り、 最終判断を座長に委ねることを了承。
その後、総長の調整は不調に終わり、4月5月に大学管理本部が直接COEメンバ ーと話し合い、翻意を促すが、やはり意思は変わらず。そごで、教学準備委員会の決 定にしたがい、経済学コースを置かない前提で事前相談、本申請作業を進めてい る。

(6) 今後の進め方について

 今後のスケジュールを踏まえ、当面は本申請を最優先課題として取り組んでいくこ と、次回からは、別紙の学部長等予定者を中心として、新しい体制の下で開学に向け て準備を進めることとして、学長予定者から学部長等予定者の指名・報告があった(メ ンバー表別紙)。
今後とも平成17年4月の開学に向けて、新大学の教学準備の為の会議のもとに検 討を進めていく。現大学の意見は、総長・学長を通じて必要に応じて反映する。

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(7) 都市政策コースについて
 都市政策コースの中核となる人材について、学長予定者から推薦のあった候補 者を4月上旬に教員専攻委員会を開催して審査する旨報告があった。

3 法人化及び人事制度に関する事項

(1) 「公立大学法人」制度の特色について

ア)経営と教育研究の分離
  学長とは別に経営の専門家である理事長を置くことで、大学運営に経営の 視点を導入する。
イ)学長の専攻方法を改革
  学長は教員による選挙ではなく、経営側委員、教学側委員、学外有識者で構 成する学長選考機関の選考を基に、理事長が任命する。なお、初代の学長は知事 が選考する。
ウ)教授会等の人事権を縮小、教育研究に特化
  法人化により教員の身分は非公務員となるため、教育公務員特例法が適用除 外となる。学部・大学院の人事に関しては、教授会等の人事権は縮小され、 審議事項は教育研究に特化されることになる。

(2) 任期制・年俸制の導入について
 任期制・年俸制の導入については、すでに組合に提示し、各大学での説明会も 開催したところであるが、導入の趣旨は、努力をし、業績をあげている教員を 適正に処遇することにより教育研究を活性化し、優秀な教員を確保することにあ る。
 また、特段の業績を上げなければ再任されないということではなく、 通常の業績の教員であれば給与が下がるということはない。

(3) 全教員を対象とする任期制について
 全教員を対象とする任期制の導入は、違法であるとの主張があるが、 公立大学法人の場合私立大学と同様、大学教員の任期等に関する法律だけでなく 労働基準法が任期制の法的根拠となる。従って、全教員への任期制の導入が 違法ということはない。

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(4) 平成16年虞実施予定の昇任審査について
 新大学に参加する意思を表明した助手と助教授を対象に、設立前に新大学の昇任審 査を実施する。4月に昇任方針を提示、応募を受けて秋以降、昇任審査を実施する予 定である。
(5) 助手の再配置について
 現大学において助手の配置がアンバランスなため、新大学の設置にあたり、再配置 を行う。方針案については、文部科学省への認可申請を踏まえて提示する予定である。
(6) 16年度試行の研究費配分について
 16年度の研究費の配分は、新大学開設に備え、各大学で異なる研究費配分の対象、 単価を統一し、基礎的研究費と傾斜的配分研究費に区分して行う。
基礎的研究費は、教員1人当たりの各大学共通単価を設定しており、継続研究費 (傾斜的配分研究費の一部)とともに一次配分を行う。
傾斜的配分研究費は、配分方法などを引き続き検討し、方針が固まり次第各大学に 配分する予定である。

4 教学に関して質間等の多かった事項

(1) オープンユニバーシティ等センター所属教員と大学院教育の関係について
 センター所属と学部所属の別により、大学院における研究指導等を区別するもの ではない。当初ご説明したとおり、大学院を担当できるか否かは、17年度の教員審 査により決定するもので、審査をクリアする限り、所属に関わらず、大学院担当は 可能。ただし、このために新たに定数を設けることは考えていない。

(2) 単位バンクと学位認定、単位取得認定との関係について
 当初から、単位バンク制度の運営と、教授会の職務である学位の認定や単位取得 の認定とは別のものと整理しているところであるが、名称が混乱を招きかねない側 面があったため、名称を変更し、表現を明確化した。

(3) 大学院の構成について
 3月22日に教学準備委員会の下に設置した大学院検討WGにおいて、考え方や 基本的な構成等を検討していく予定である。その後、分野別めWGを設置し、今 年夏頃までには具体的な教育研究の内容を固める予定である。

以上

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