理工系の研究では150万円の最低保障が必要
以上は、直接研究活動に関わるものですが、直接研究には関わらないけれど 事実上研究費から支出せざるを得ないものがあります。たとえばある学科や 専攻の教育・研究活動の報告書は自己点検・評価のために欠かせません。 その他、必要に応じて研究報告書などを作成するので、1人あたり10万円程度 必要です。 以上を合計すると、1人あたり150万円程度が研究を続けていく最低限の保障 となります。これは単純に頭割りにした金額ですから、教授・助教授・助手を 区別したものではありません。もちろん、この金額の6割以上は、 図書の購読など学科や専攻全体の方針で使途が決まるもので、個々の教員の 自由にならない部分です。物品購入や旅費に支出できるのは1人あたり約60万円 であり,これが最低保障ぎりぎりの金額に近いということになります。 現在、第1次配分により理学部でおきていることは、この60万円の部分が ゼロになってしまったという大変に危機的な事態なのです。したがって、 第2次配分で傾斜配分をおこなうと、一部の教員にのみ配分されますから、 他の教員は自由に支出できる資金がゼロのままであるという事態が継続すること になります。
|