GPAとは何か?
(文責:ポーカス)
GPA (= Grade Point Average)とは,アメリカ等の大学で
導入されている成績評価システム。
日本の大学では、従来,
優(A)、良(B)、可(C)、不可(D)で成績を評価をしてきた。
それに対してGPAでは,それぞれの教科の単位数と成績を基に指標を
提示する。不可の科目の点数も加算されるため,これまでとは違った
学生の評価が得られる。
例1) 換算表の例
評価 |
ポイント |
優(A) |
4.0 |
良(B) |
3.0 |
可(C) |
2.0 |
不可(D) |
1.0 |
評価なし(F) |
0 |
例2) ある学生の成績例
授業科目 |
単位数 |
評価 |
ポイント(GP) |
英語I |
2単位 |
B |
2×3.0=6.0 |
経済学原論 |
4単位 |
C |
4×2.0=8.0 |
生物学 |
4単位 |
D |
4×1.0=4.0 |
心理学 |
4単位 |
A |
4×4.0=16.0 |
体育 |
2単位 |
B |
2×3.0=6.0 |
|
(1) 合計16単位 |
|
(2)合計40ポイント(GPの合計) |
GPAはこの場合(2)÷(1)として算出するので,40÷16=2.5となる。
- GPAは平均的な能力を評価する制度。(特定の分野で秀でた成績をとっても
評価されない。)
- GPAでは,不可を取ると全体の点数に影響する。(これまでの日本の評価制
度では不可の数は無意味だった。)
- GPAを基準に使って,卒業や進級の基準を作ることができる。
例えば「GPAが2.0を越えないものは卒業できない」とか,
「GPAが2.0を越えないものは3年次に進級できない」など。(場合によっては,
GPAの特定の点数を基準にして,退学勧告を行うことすら可能。
合計124単位とれば卒業できるというような制度ではない
ので,GPAが4年間の平均で2.0以上でないと卒業できないというような
枠をはめると,いままでなら単位数で卒業できた学生も卒業できなくなる
可能性がある。結果的に,良い成績を取らねばならないという制約にな
る。)
- 海外の多くの大学で導入されているので,留学などの時の基準として
必要な時に提示できる。
- 日本でもすでに,63大学(2000年)で導入されている。(成績とGPの関係
は大学によってまちまちで,統一されていない。)
- 成績をつけるのが甘い先生のところに学生が集まる危険性がある。
- より詳しい情報や具体例
を参照。(桜美林大学,山梨大学,産能大学,筑波大学などの例がある)
「単位バンク」制と GPA は両立するか?
- 「単位バンク」で取得した単位をどう扱うかによる。
例えば,産能大学では単位互換制度で取得した単位は,自らの大学で出した評
価ではないことから(?),F としてGPAには含めていない。
- 「単位バンク」では,ただ他の大学の単位を認定することしか考えていな
いので,学生が他の大学やボランティア活動で特定の単位を取っても,
それがどのような成績だったかにより判断されるので,ただ単位の数を
集めたからといって卒業できる訳ではない。
- 「単位バンク」で他大学の単位を取得する場合,そしてその大学でGPAを
導入している場合どうしたらよいか。もしGPAの換算表が違っていたら,
それをどのように調整するかという問題がある。
- 一般論から言えば,「単位バンク」はいろいろなところから単位を取れて
学生にとっては単位を取るのが楽になる可能性があるが,GPAは単位だけでなく
平均的な成績を良くしなければならないので卒業や進級などが厳しくなる制
度である。
- 従って,たとえ「単位バンク」制度を導入しても,GPAが導入されて
厳しく成績が管理されるようになると,「外で単位を取る」こと自体は
無意味になる可能性がある。結果として,誰かも主張していた
ような「出にくい大学」を実現する手段としてGPAは捉えらえられる。
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