新大学教員給与制度について(東京都立大学理学研究科 意見B,2004年7月)



理学研究科

年俸制に関して、例えば業績給の項には、誰がどのようにして業績評価をおこな うかという点が記されていません。公正な評価を目指せば目指すほど、評価され る側にとってもする側にとってもそのための労力は膨大なものになりますが、年 俸制に関する限り、それだけの価値があるのか疑問です。
 教員が研究教育を行うとき、通常給与のことは念頭にありません。
夜間休日に大学に来ているからと言って残業手当・休日出勤手当てを要求する人 はいないでしょう。
 それは研究教育自体に生きがいを見出しているからです。
 年俸制はこのような教員の誇りを逆なでするものであり、高い給与を求めて外 部から優秀な教員が集まるとは思えません。
 優秀な教員を確保するためには、良好な研究環境を整備し、厳格な人事選考を 行なうことが最も重要だと思います。少なくともわれわれの選考では、最近10 年余の人事はすべて公募で行っており、外部から優秀な人材が数多く応募してき たため内部昇格ができなかった教員も数多くいます。
 年俸制の採用により、結果的に優秀な教員が確保できなくなることを危惧して います。
以上のことは、年俸制に関して「基本的な考え方、枠組を覆す意見」になるかも しれません。しかし、新大学の使命と特色のひとつである「高度な知的社会の構 築」のために必要なことと考え、敢えて述べる次第です。


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