事務組織、事務系職員の問題等についてのコメント
2004.7.16
総長
◎ |
前提:事務組織の案は、教員で構成される学内の諸全学委員会、
学部・大学院の諸委員会の構成を示さないままに提出されているので、
十分には検討できない。これら委員会の設置等について検討した上で、
事務組織についても再吟味される必要がある。それを前提に何点かのみ指摘しておきたい。
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1 教務関係の組織の問題
「学生サポートセンター」の組織と機能が実際的ではない
同センターは、現行の教務課、学生課(その中に相対的な独自性・専門性をもつ
学生相談室がある)をひとまとめにしたものと見られる。しかし、長い経験に基
づいて考えると、これらが1つの大きな組織に統合されるのは実際的でないと
言える。
教務課は特に全学教務に関わると同時に各学部事務室とのラインも維持する必要があるので、
学生課とは別組織としたほうがよい。
現在の教務課の一般教育担当や一般教育委員会が行っている全学共通教育等の調整をどこで行うのか。
「都市教養プログラム」や外国語、情報、基礎ゼミ、共通基礎教養科目、
FDや成績評価の標準化など、授業科目担当者間や、
授業科目を提供する側と提供を受ける側とでの調整が必要なことがたくさんある
(学生サポートセンターの業務の中には入っていないように思える)。
学生課についても同様の観点で見る必要がある。
なお学生相談室をもっと強化する必要があろう
(この面でのニーズは学生増による影響で高まるうえ、
今後ますます多様化も促進されると予想される)。
今の案のままであれば、
学生サポートセンターは多機能を抱え込むが機能間の統合性は期待できないという問題をもつであろうと考える。
さらにいうと、現在の案では、学生サポートセンターとは別組織として、
学長室に「教務企画担当」「単位バンク推進担当」があり、「経営企画室」
に学部長を補佐する「企画担当部長」が置かれるなど、
機能の分担と協力の関係がはっきりせず、バラバラであるとの印象ばかりが残る。
また、現行の入試課が行っている業務はどこが担うのか、
基礎教育センターであろうか? いずれにせよ、はっきりさせるべきである。
なお、学生サポートセンターを経営側に位置づけているのは、
どのような理由によるのか理解しがたい。
2 「学長室」等の問題
教学面でここが何をするのか、学長室の下位組織をどうするのか明確でないので、
早急に具体案を練る必要がある。
同時に、研究を支える組織(たとえば大学の短・中・長期の研究推進戦略を策定する組織等)
が全く位置づけられていないのは大きな問題である。
加えて学部長を補佐する事務組織についてももっと積極的に検討すべきである。
関連して指摘しておくと、
学部長を補佐するという企画担当部長が経営企画室の下に置かれているのはなぜなのか理解できない。
なお、副学長2名が事務組織上はどこにどうつながるのか。何も書かれていないのは問題である。
3 事務系職員の身分等の問題
法人固有職員がすべて任期付き雇用であり、
都からの派遣職員も派遣期間が限定されている
(「資料」のこの部分、3年以内(10年まで延長可)の記述は、
「公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」に基づくと考えてよいか)。
この案にはまったく賛成できない。
これでは優良な人材を集めることもできないし、育てることもできないであろう。
人事面での不安定性ばかりが強まる結果、大学事務に関する経験の蓄積、
専門性の向上も、さらには大学づくりに向けての積極的な政策提案も期待できない。
4 質問
法人組織図(案)に「法人役員」があり、そこに「副理事長・事務局長」とある。
事務局長を副理事長とする理由は何か。
(理事長に事故ある時等には「副理事長・学長」が代行すればよいと考えると、
事務局長を副理事長とする理由がよくわからない。)
以上。
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