略語:タンバ(「単バ」と書かれる)。
英語名:Academic Credit Bank System
使用上の注意: 学生が単位不足で困った時には,とりあえず「キャリアカウンセラー」(略語: 「キャリ」)に単バでなんとかならないか相談してみるとよい。 ただし,単バは,学生の経済的負担に関しては関知しないので注意: 単バで取得する他大学の単位やボランティアにかかる費用は すべて学生側の負担であり,「首大」の授業料とは別。例えば100万円の授業 料を「首大」に払っても,他大学の授業を単バとして受講するには, 1科目ごとに科目等履修生としての授業料の納付が必要になる,ということ (学内の授業は,いくつ取っても授業料は支払い済みなので,それ以上払う必要は ない)。
説明:
他の(海外を含めた)大学で取得した単位や大学外での経験を
ほとんど無制限に単位として認定する制度。たとえば,
青年海外協力隊などで働いた経験も,単位として認めてもらえる。
運用するにあたっては,外部有識者や経営者が加わった学長直轄の独
立組織である「学位設計委員会」,「科目登録委員会」が作られる。
石原都知事の発言に繰り返し登場して話題となったが,
考えてみると現在では単位認定制度が各大学にあり,
かなりの単位を今の制度でも取得できる。単位認定の上限を
定めないこと,学外での経験(青年海外協力隊の経験など)を単位と認定すること,
「学位設計委員会」の構成メンバーに外部の人間が入ること
を考えると,これは大学の独自性の否定であることが分かる。
大学設置審査には登場しないらしいので,一時はあまり議論され
なかったが,2004年3月29日の最終教学委員会で「単位バンクWG」の
報告がなされ,内容が非常に危険な物に様変わりした。
(1) 「科目登録委員会」が学内すべての授業の詳細な評価(≒検閲)をする,
(2) 「首大」の授業でも「単位バンク」に登録されず,開講できない授業ができ
る可能性がある,
(3) 単位バンクにある授業が登録されなかった場合,該当科目担当教員は授業を
する権利が奪わる,
(4) たまたまある年にある授業の受講希望者が少なかった場合,それだけの理由
で登録から外される可能性がある,
(5) キャリアカウンセラーは,学生に対しての履修相談をしてその学生のキャリ
ア形成に必要な授業科目をアドバイスするが,「科目登録委員会」の
評価が低いと推薦授業にならない。その結果,キャリアカウンセラー
の推薦を得れない科目は淘汰される恐れがある,
(6) 「学位設計委員会」は,学部のコースのカリキュラムを(社会のニーズを踏
まえた)独自な観点から変更できる,
といった問題が指摘されている。
詳しくは,
科学技術大学有志による文書
「『単位バンク制』は大学教育を破壊するおそれがあ
る」及び,K-5,
K-6を参照。
大学間の申し合わせで行われる単位互換性度ではないので,
大学管理本部でのワーキンググループ案では,他大学の授業単位を単バに登録
する際には,個々の先生に直接お願いして,単バ登録のための評価を受けて
もらうという構想のようだが,<本当にこのようなシステムに個人的に協力す
る大学教員がどれくらいいるのか>,とか,<他大学の方で,このような評価を伴う形での
授業の「外部利用」を容認するのかどうか>は全く疑わしい。
関連説明のポインタ:
K-1
K-2
K-3
K-4
K-5
K-6
蛇足情報:
2004年3月29日の教学準備委員会では,単バの英語名として
Unit Bank Systemが提案されていたが,後日配布された
文書にはAcademic Credit Bank Systemという名前に変更され
ていた(誰にも何の説明もなかった)。
これだと「なんらかの知識があると多くお金が借りられる」
システムとか,「大学生とか大学の教員を対象にしたクレジット」を
扱うシステムのような印象を受けるのだが...これらの英語名を
考えている人達は,「英語の再教育」を受ける必要がありませんか?
単位バンクの導入は,大学管理本部と都立大総長・評議会の対立の1つだが,
大学管理本部は,知事の会見に正式に何度も使われた目玉商品なので,
何があっても絶対に引っ込めないだろう。被害者は,首大の学生と
教員となる。
間連語:
<キャリアカウンセラー,カリキュラム評価委員会,大学のカリキュラムの独自性,授業
内容の検閲>
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