略語:「ザンイン」(「暫院」から来ているが「残院」と同義語)。
使用上の注意: 「暫定大学院」とは,2003年10月31日以降,大学管理本部によって 使われた非公式な言葉。2004年4月28日に文部科学省の大学設置審議会 に申請された「首都大学東京」の大学院構想では, 公式に「首都大学東京の大学院」として扱われている。
説明:
◯ 「暫定大学院」とは,2003年10月31日に,突然,東京都大学管理本部から降って
きた「新大学の大学院設置時期及び現大学等の取扱い、経過措置等について 」
という書類に初めて登場した言葉で,2004年4月28日に文部科学省の大学設置審議会
に申請された「首都大学東京」の大学院構想のこと。
◯ 「暫定大学院」は,大学管理本部の「首大暫定ホームページ」に
「平成17年度の大学院構成」(PDFファイル)として載せられている。
大学院構成(HTMLファイル)を見て分かるよ
うに,経済学の大学院は,経済学の大部分の教員が就任承諾書を提出しなかっ
たために,「暫定大学院」の中からも消えている。
◯ 「首都大学東京」の2005年4月開校を至上命題としている(石原都知事の
選挙公約)ので,新しい構想に基づく大学院を一年先延ばしした。
当然のことながら,都立大教員からは,一年大学の開設を延ばしても,
大学院同時開設を目指すべきだという反対の声が上がったが,管理本部は
無視した。
◯ 設置審議会へ既存の大学の改組・統合として大学新設届けを出す場合,
現存の大学に大学院があるので,大学院の案を出さない訳にはいかない
ことが判明した。
◯ そこで急遽,現存の大学院を工学研究科の部分だけ(都立大の工学部と
科学技術大学の工学部を合体させ)若干修正し,都立大学の大学院を
そのまま新設大学院として申請した。
◯ しかし,この大学院は「首都大学東京」の正式の大学院であるにも
かかわらず,もし申請が通ったら,たった1年しか学生を募集しないことになる。
なぜなら,2006年から新たな構想に基づく大学院を作ろうとしているから
である。
◯ 形の上だけとはいえ,新設の(暫定)大学院を2005年に開校するので,
それをたった1年で募集停止にして,「新たな構想に基づく大学院」
の申請をして,それが通るかどうかは微妙である(たぶん前例がない)。
◯ いわゆる暫定大学院に入学した学生は,現都立大の大学院構成と
ほとんどかわらないカリキュラムで学ぶことになるが,この暫定大学院
の存続機関も2010年度(平成22年度)までということになっているので,
この大学院体制での研究は,2011年3月までの6年間しか保障
されない。もっとも,「首大」であることは同じなので,
違う大学からの移行の場合ほど,制度的な困難が生ずるわけではない。
◯ その結果,暫定大学院の学生の学習権は普通の院生と比べて,
著しく劣ったものになる可能性がある。また,暫定大学院が博士課程
の学生も受け入れるとすると,博士課程の学生の学習権も同様に
非常に限定されると考えられる。
◯ たとえ「首都大学東京」の新たな大学院に移行させてもらえる措置
がとられても,コースの変更やカリキュラムの変化
により,同じように研究を続けていけるという保障は,
今のところない。
◯ 2004年5月25日の
朝日新聞の社説(L-15)
にも,この「暫定大学院」が問題だと叩かれた。
「申請を急いだためか、
大学院は再編案が間に合わず、ほぼ今のままの形で申請された。
新しい大学院の姿がはっきりしないのでは、勉学を深めようとする学生は不安に
なるだろう。」
関連説明のポインタ:
J-1 「新しい大学」の大学院はどうなる?
J-2 2003年10月31日の文書の意味は?
J-3 暫定大学院の正体
J-4 平成16年度と平成17年度に都立大大学院に入学した院生はどうなる?
J-5 なんで在学機関が平成22 年度までなのか?
T-5 大学院の整備は,就任承諾書を提出する前に決まる?
蛇足情報:
2004年(平成16年)に都立大4年生,あるいは科学技術大学4年生の場合,
大学院の進学先は,この「暫定大学院」になる。
将来に対しての不安から,この大学院には行かずに,別な大学の大学院を
選択する学生が大部分であろうと予想されている。仮に「首都大学東京」
の「暫定大学院」が成立してしまったら,定員割れを起こすところが続出
する恐れがある。その責任は誰が取るのだろうか?
間連語:
<知事の公約,院生の学習権,第1期中期目標期間>
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