経営準備室運営会議
けいえいじゅんびしつうんえいかいぎ

略語:  ただそっけなく「準備室」と言う。

説明:
◯ 「首都大学東京」の経営に関する事項について具体的な調査検討や準備を 行う会議で,第1回が2004年2月13日に初めて開催された。
◯ 座長は,高橋宏理事長予定者。
◯ 地方独立行政法人としてやっていくためには,完全に公的機関であったこれまでの都立の4 大学とは違い,さまざまな経営面での詰めが必要。しかし,2004年2月13日に なるまで,具体的な作業は何も協議されていなかった。
◯ 経営準備室運営会議の協議内容として, 大学管理本部が挙げている項 目は:
(1)  法人の経営戦略,収入確保,業務効率化
(2)  中期目標・中期計画
(3)  運営組織・給与制度
(4)  人事・給与制度
(5)  財務会計制度
◯ 構成員は以下の通り:
【室長】高橋 宏(郵船航空サービス株式会社取締役相談役)
【構成員】
西澤 潤一 (岩手県立大学学長), 高見 之雄(弁護士),藤井 康博(中央青 山監査法人代表社員),山口 一久(東京都大学管理本部長, 第4回会議まで), 村山寛司(東京都大学管理本部長,第5回会議から),茂木 俊彦 (東京都立大学総長),石島 辰太郎 (東京都立科学技術大学学長), 米本 恭三 (東京都立保健科学大学学長),石渡 彌(都立短期大学学長)
◯ 構成員を見て分かるように,教学準備委員会とは異なり,都立大総長や都立短大 学長がメンバーに加わった。これによって,少しでも実質的な協議ができれば, 「首大」の将来に少しは希望があると思われたが,第一回から膨大な資料が 提出され,十分な議論などできそうもないことが分かってきた。
◯ 現都立4大学の予算を,「首大」の方針で前倒しで実行すると宣言 して実行したのも,この「準備室」の権限らしい。まだできてもいない大学の 準備委員会が,なぜ現存する大学の予算配分を決定できるのか? 常識的に考えても存在しない大学の予算配分方式を,まだ発足していない 大学法人の理事長予定者が座長を勤める委員会で, 実在する大学の予算を勝手に変更できるわけがない。「首都大学東京」へ行く研究者を 対象とすると宣言するのもおかしい。
◯ この「研究費の傾斜的配分問題」は,毎日新聞の記事 「賛否で研究費を配分:首都大学東京経営準備室 教員が『差別』と反発」 (2004年5月20日朝刊)でも紹介された。
◯ 2004年7月に大学管理本部長だった山口一久氏は主税局長へ異動となり, 2004年8月17日の第5回経営準備室運営会議は, 新管理本部長(総務局行政部長だった村山寛司氏が就任)の元で開かれた。 そして,第4回会議(7/9)の議事録が初めて公開された。 誰がどの発言をしたのかは不明だが,議事進行の様子が多少でも公開されたこと は,今後の議事進行の中で重要な情報となるだろう。
関連説明のポインタ:
D-4 正式には理事長と学長はどうやって決まる?
N-11 「首大」と同じ方針で今度の4月から予算配分!
経営準備室運営会議(大学管理本部の説明,外部リンク)

蛇足情報:
・2004年3月2日の知事発言にあるように「断固として予定通り開学する」のを 至上命題としているので,このままで さまざまな問題をろくに検討しないで2005年4月に開学すると, 開学した後で,そのツケを払わされることになるだろう。 もっとも,そのツケは,「クビ大」の教職員が大部分を負担するので, おそらく管理本部は痛くもかゆくもない。
・その対抗策として, 教員は「情報公開」で挑むと予想され,新聞には 「首大でまた XX 発覚」, 「首大 XX で大混乱」,「首大の XX,やはり大失敗か?」,「首大混乱収まらず」 なんていう見出しが踊ることになるかもしれない。
・どう考えても, 今の時点で, もっと時間をかけて検討しないと本当の解決ができないような 問題が山積しているのに,2005年4月開学したら大変なことになる。
間連語: <人事・給与制度,リストラ,業務効率化,研究費削減>

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