都立大の危機 --- やさしいFAQ

R.   本当の改革へ向けて(自由に語ろう!即答たたき台編)


R-1, R-2, R-3, R-4, R-5, R-6, R-7, R-8.

R-1  D-4O-8で話題になったようなトップダウ ンで東京都の直接的な意向を反映させられてしまう体制が「首大」で作られてし まうようですが,これってなんとかならないんでしょうか?  次へ

ポーカス博士

これから言うことは,基本的にわしの独断的意見じゃからそのつもりで聞くよう に。実現性とかを綿密に検討しているわけではないから,覚悟しておいて欲しい。 ポーカス案ということで,P案と呼ばせてもらう。
(P案)
まず, 知事→理事長→学長→学部長→教員という上意下達構造だけを放ってお いたら,封建社会と同じになってしまう。そこで,ぜひとも考えて欲しいのが, 下から上への意思反映システムじゃな。リコール制度というのも一案じゃ。 大学教員の一定数以上の要求によって学部長,学長の解任を請求できるとする。 理事長も含めたいところじゃが,おそらく知事→理事長の線は崩せないじゃろう。 教授会や評議会から実質的人事権を奪ってしまう新制度もなんとかしなければな らない。 教育の現場,研究の現場の声を上にあげる制度を作るというのはどうだろう。 特定教育・研究分野の生の声から人事を動かすもう1つの制度じゃ。 人呼んで「生声人事制度」(略して「なまごえ」)。 大学教員の一定数以上の要求によって新たな人事を要求できるとする。 もちろん,そんなに簡単なことではない。上意下達構造と矛盾する制度なわけだ から,単純に導入したら上と下の喧嘩になって,にっちもさっちもいかなくなる。 しかし,放っておいたら,上からの指令で,教員はなんでもさせられてしまうか もしれん。
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R-2  エクステンション・センターの構想は,もう少しな んとかならないでしょうか?  次へ

ポーカス博士

(P案)
今のままでは,ただのカルチャー・センターに大学院を継ぎ足しただけで, 研究環境を保障しているとは言いがたい。そこで,この際,「オープン・ユニバー シティ」と改名する(カタカナ語がちょっと気になるが)。
 そして今の案のように,都民に対する教育サービス機関というだけでなく, 文系と理系の共同研究を行う場とする。  そのための建物も計画し,2〜3年後には建設する。 科学研究費のプロジェクトや外部資金を得たプロジェクトが, それぞれプロジェクトの年数だけ研究室,実験室等を確保できるようにする。 産学共同研究も視野に入れるから, いろいろな人達が集まってきてアイデアを出し合えるような雰囲気を 備えた討論室や発想・瞑想のできるスペースを作る(こら!笑うでない!)。 研究者というのは孤独なものなのじゃ。その孤独をいやすような環境がないと, 研究に行き詰まって自殺をしてしまうような場合だってあるのだ。
 教育面では,夜間の社会人教育と,昼間の文系・理系にまたがるような 大学院での教育・研究を行う。従来の学部とは違った特色を出すのだな。 さらに,教員はすべて大学院にはりつき, オープン・ユニバーシティに来て教えたり研究したりする。 基本的にオープン・ユニバーシティだけに所属する教員は作らず,兼担とする。 もちろん, 昼間と夜と延々と研究や授業をやるのでは死んでしまうので, カリキュラムの工夫が必要になる。
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R-3   じゃあ,研究面での増強をするんですね。 そうするとP案での大学院はどうなるんですか?  次へ

ポーカス博士

(P案)
大学院大学をめざすので,教員は原則みな大学院に配置する。 いわゆる大学院部局化というやつじゃ。それで,人文系に関しては, 申し訳ないがリストラする。
ホーカス君:えっ,そんな...)
まああせるな。 人文系は,2003年7月31日までの案(34%のリストラ)をのみ, 96人とし,定員は大学院に張りつけるのじゃ。大学院の特徴は, 実用的な知識や技能を得るための修士コースと, 各専攻の専門家を養成する修士・博士コースの2種類にする点だ。 これは近年の傾向でもある。
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R-4  なんでわざわざ,P 案では人文をリストラするような案を 考えるんですか? 学部構成も変えるわけですか?  次へ

ポーカス博士

(P案)
それはな,以前の管理本部案に多少の敬意を払っていることを示すためと, 今の管理本部にもちょっと納得してもらうためだ。 妥協だと非難されれば甘んじて受けよう。
 学部構成じゃが,都市教養学部というのはやめる。だいたいすべての専門に, 都市とか教養とかの色付けをするのは間違っているし,不可能だからだ。 人文学部を総合人間学部と改名する(今ではかなりポピュラーな 名前になっているが)。 理学部,工学部は,これまで通りとする(もっと良い案が出てくればいつで も変える)。 ポイントはな,現在ある都市研究科の下に学部を作るところだ。 文系は,都市政策コース(聞いたことがあるだろう?),理系は,都市工学コースとする。 都市研の学部は新たな教員の公募が必要なこともあるだろうから, 人文系のリストラした分をそれにあてる。 日野キャンパス(科学技術大学)では, これまで通り教養教育から一貫して学生教育をやってもらい, 特定の専門の教員だけを南大沢に移行させるとか, 逆に南大沢の工学部の特定の教員だけを日野に動かすということはしない。 そうすると,南大沢には,都市総合学部という新学部1つ, 総合人間学部,理学部,工学部という構成になる。 どうじゃ,都市教養学部はなくなるが,都市総合学部ができる。 これでみんな満足できないものか。
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R-5  そうか,なるほど。それで P 案でのカリキュラム の特色は?  次へ

ポーカス博士

(P案)
単位バンクとか,外国語の授業のアウトソーシングはやらない。 なぜやらないか,というと, どちらも自分の大学の教育のアイデンティティを失ってしまう危険性が高いから だ。 その代わりに,GPAを導入して,1年から2年,2年から3年に 進級する時に,一定水準のポイントを取っていない学生は, 退学や留年になるようにする。これは, 学生にとって厳しい制度だが, ただ何単位を取れば卒業できるというような今までの 成績軽視の傾向に歯止めをかけ,誰かが昔言っていたように, 入りやすく出にくい大学を作る第一歩になるだろう。 GPAの問題点として, (1) 特定の科目だけに秀でた学生がいなくなるおそれがある, (2) さまざまな他の分野の科目を履修しようとする意欲がなくなる 可能性がある,と言われているが, これを補うような制度も考えよう。(1)については, 特定の科目だけに秀でた学生を認定する制度(学生本人の申し出によって, ある教科が特に得意だという場合には,その教科の筆記試験と面接を受けて, その結果で認定する。その認定に通ったものは,特別ポイントを取得でき, GPAに加算される)を提案しよう。(2) については, 主専攻・副専攻システムを導入し, 単一の専攻だけでは卒業できないようなシステムにする。 3年から4年に上がる時は, 卒論や卒業研究の準備があるので関門は設けない。
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R-6  いやー,先生,そりゃあ厳しそうだな。学生による授業 評価に関して,P案はどんな提案をするんですか?  次へ

ポーカス博士

(P案)
2本立てで考える。1つは,現都立大の「ひばりの声」を拡張し 学部授業まですべてを含む形にする。 いわゆるリアルタイム投書箱 (「みやこ鳥の声」なんていうのはどうだろう?)じゃが, 学生の声は必ず掲示板に(ネットの掲示板にも)張り出され, その答えは該当の教員あるいは, その問題点に関しての解決法を知っている担当者から回答される仕組みじゃ。 もちろん, 回答も掲示される(固有名詞に関しては,プライバシーの問題が発生するので, 伏せる必要があるだろう)。もう1つは,学期末に行う一斉アンケートだ。 アンケートには,授業に対しての学生の評価と並んで, その学生自身がどのように授業に参加したかという自己評価も記入される。 学生が勉強できる体制を,できるだけ改善し充実させるというのが, 基本精神じゃな。
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R-7   P 案では,教員の任期制なんてやらないんですよね?  次へ

ポーカス博士

(P案)
いや,任期制は部分的に導入する。教員の雇用形態は,2種類の中から教員一人一人が選 択できるようにする。1つは現行制度。これは,「8・1」案のものと は違い,完全に現行の雇用形態を保障する(給与据え置きで昇給なしなんていう ものは,現行制度ではないからな)。もう1つは,任期制。 基本給+能力給で給与を支給されるが, 現行制度の給与表の例えば8割を基本給とし,能力給は上限100割まで支給する。 そんなむちゃくちゃな,と思うじゃろ。基本的な発想は,任期制を選んだら, 任期が切れる時に失業する危険性もあるのだから, そのリスクに見合うだけ多額の給与を年俸制で支払い優遇するというものだ。 実績主義・成果主義は必ずしもいい制度ではないが, そのような成果中心で研究できる研究者や研究分野も存在すると思う。 そのような研究者は,「本当に優遇しますよ」と雇用主から条件を提示しないと, 集まってこない。 プロ野球じゃあないが,例えば年俸8000万でXX大学から引き抜かれた先生がいる, というような事態になったらその先生だけではなく大学の名前も売れるだろう。
 どちらの制度を選んでも7年に一回のサバティカルを取る権利を保障する。 だたし,サバティカルの時は,給与は通常の6割しか支払われない (非常勤,集中講義,講演などから収入を得ることは許可)。
 教員の任期切れの際の審査は,教員審査委員会が行うが,公正に審査が行われるか どうかを監視するために, 外部団体「教員評価審査研究学会」 のメンバーを必ず加えることとする。任期制は, 助手,講師,助教授のみの適用とする。正教授は任期制にしない。
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R-8   P 案では,何か学生にとって魅力のある制度は導 入しないんですか?  次へ

ポーカス博士

(P案)
もちろんいろいろ考えておる。まず,第1に AO入試というのがあるが,日本の大学のAO 入試は,どこも推薦入試に毛が生えた程度のものだと思う。AO入試センターを 作り,ちゃんとした専任の スタッフを5人位雇って,一年中全国の高校回りをして優秀な学生を探してもら う。その学生と面接をして,AO入試センターで協議の上, その学生に特別に有利な勉強環境を提示して (学費を無料にするとか,飛び級を認めるとか)大学へ迎え入れる。 まあ,欧米のまねじゃがな。これも,大学の学生のレベルを上げる手段として 使われる手じゃ(異論もあると思うが...)。第2に学内の学生には, 当然学部ごとに特待生制度を設ける。学費10割免除1名,5割免除2名と いうようにな。第3に現在ある交換留学生度をさらに充実させる。 マコーレー大学,ウィーン大学の留学制度だけでなく, 学長予定者がしきりにアジアの重視を唱っているのだから中国とか韓国の 大学と提携するのがまず先決だ。もちろん単位の認定は「単位バンク」など なくても行われるようにする。第4に,府大戦を維持する。 大阪府立大学も改革の波に飲み込まれているようじゃが, 是非とも学生同士の交流の場として残して発展させて行きたい。
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