意思確認書 いしかくにんしょ

略語:イカク(威嚇と同音語)。 「意思確認書で威嚇されている」とある教員が発言した時, 「だから『イカク』なのだ」と自然発生した略語。

使用上の注意: 「イカクすると嫌われる」というのは普遍の真理。「イカク」しても 効果がない時は,「恫喝」(どうかつ)が必要になる。恫喝は, 一般人がやることではなく,暴力団,借金取り,軍隊などの 特殊環境でしか行われない。

説明:
◯ 2004年2月10日に,「同意書」と同じように法的根拠がよくわからない 「意思確認書」という書類が教員の自宅に郵送された。封筒の中には, 「首都大学東京」就任承諾にあたっての意思確認書の提出について と, 首都大学東京就任承諾にあたっての意思確認書 が入っていた。
◯ 「新大学」への参加の有無を問う最終文書との説明で威嚇(イカク=意確)しておきながら, うっかり「文科省から早期に意思確認をとるよう強い意見があった」と書いてしまったため, 文科省の怒りをかってしまった。2月10日には,管理本部が2回も文科省へ説明に行き, ホームページで釈明すると言明したようだが(2/12 朝日新聞,毎日新聞), 実際にホームページには 趣旨の説明 が記されただけで,訂正はしなかった。 文科省はあきれて不満の意をもらしたようだが,管理本部のやり方としては,いつもと同じ。
◯ 2004年2月16日が締め切りとなっていたので,提出期限に怯えた教員も多数いたが, 総長と組合が救いの手を差しのべた「総長預かり」(pdf) ,「組合預かり」と呼ぶが,無利息でその後,学部長に返還された)。
◯ その後も管理本部長,理事長予定者,学長予定者の 連名文書(2/24)が配布され, 2月27日締め切り,3月6日締め切りが設定されたが, 管理本部長,学長予定者による 3月9日文書(俗称:「恫喝文書」)では, 「新大学に前向きな姿勢で期限を守って提出頂いた方々と3月に入ってから提出された方々 を同様の取扱いとする訳にはいかない。何らかの仕切が必要である」 と宣言し教員を震え上がらせている。
◯ ちなみに理学部は「全員提出」という裏技を仕掛けた結果, 管理本部にいやがられた(来て欲しくない人まで入っているからとか)。 3月9日の朝日新聞によると,この時点で400名が提出したらしい。
◯ 3月29日の教学準備委員会の結果を受けてのプレス発表では, 全教員の95.7%が提出したと発表された。これは 管理本部の「イカク」が有効だったというよりも, 人文学部の<まとめてドーン>作戦の結果である(人文学部だけ孤立させない という執行部の方針に従い,理学部方式を採用した)。
◯ 科学技術大学の教員の一部,都立大理学部や人文学部の多くの教員は, 所属欄を削除したものを提出したが,大学管理本部は 同意書の時と違って何も文句をつけなかった。
◯ 注目を集めたのは,「イカク」未提出の経済のCOEグループ。 3つの要求を掲げて闘争したが,都の強硬派は「切り捨てろ!」 と公言した。COEを大切にできない大学なんて信じられなーい, と全国の大学や文部科学省の一部から声が上がっているのに東京都は気づいても 気づかないふり。2004年4月7日読売新聞報道によると,COEグループ の教員12人(経済学)がついに「イカク」を提出しなかったので, 大学管理本部は予定していた都市教養学部経済学コースの設置を 断念した(法的拘束力の無い「イカク」を出した管理本部が, そこまで自分自身を縛らなくてもいいのに)。
関連説明のポインタ: L-4  L-5  L-6  L-7  L-8  L-9  L-10  L-11  L-12  L-13  L-14 

蛇足情報: 2月10日から3月28日まで延々と続いた「イカク騒動」の勝者はいなかった。 結果として,管理本部は, 四捨五入して96%が「新大学」へ行くという数字を 手にいれたが,その見返りにCOEグループ(経済学の12人)を「首大」へ 迎えることができず,経済学コースを断念せざるをえなかった。 現4大学教員の「首大学反対派」にとって,マスコミがここまで96% という数字を挙げて「大部分が首大へ移行」するという報道に走るとは 想像していなかったという点で大きなマイナスになった。 また,およそ2ヶ月に及ぶ「イカク騒動」で, 大学内部の意見の違いを増幅しないで収拾をはかるには 「とりあえず意思確認書を提出して欲しい」という執行部の意見を尊重 せざるを得なかった。その間,マスコミ報道もあり,意思確認書の 提出率の悪さがクローズアップされたという点は, 「首大学反対派」にとってプラスだった。大学執行部は, 「今度の焦点は、就任承諾書である」という言葉で彼らを説得して 回ったので, 「イカクを出しても文部科学省への就任承諾書は出さない」という 条件で,イカクを出した教員が多数いたことも見逃せない。
間連語:<同意書,最終意思確認,総長預かり,就任承諾書>
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